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【LoL】第3回全国高校eスポーツ選手権LoL部門で優勝したN高「KDG N1」とLillebeltコーチに戦いを振り返ってもらった

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写真提供:N高等学校(赤丸枠内は、© Riot Games All Rights Reserved.)

去る2021年3月14日に開催された第3回全国高校eスポーツ選手権「リーグ・オブ・レジェンド」部門決勝戦で、N高等学校「KDG N1」がアートカレッジ神戸「アートカレッジ神戸A」を破り、優勝した。「KDG N1」は第2回大会に続く2連覇となった。高校生大会の王者の秘密を探るべく、LoL忍者が突撃インタビューを行った。

登場人物
ぷりも選手:「KDG N1」のジャングラー。大会当時3年生。LoL歴4〜5年。写真左。Twitter
rre選手:「KDG N1」のミッドレーナー。大会当時1年生。LoL歴2〜3年。写真右。
Lillebelt:「KDG N1」のコーチ。元プロ選手で、プロチームのヘッドコーチなども歴任。現在は、LJLで解説を務めている。LoL歴10年以上。写真右上(赤枠)。 Twitter
名越さん:学校法人角川ドワンゴ学園の広報担当。

 

LoL忍者:皆さん、本日はお忙しいところ、ありがとうございます。まずは簡単に自己紹介をしていただけますか。

ぷりも選手:はじめまして!「KDG N1」でジャングルを務めていたぷりもです。好きなチャンピオンは、リー・シンです。

rre選手:こんにちは。「KDG N1」でミッドをやらせてもらっているrre(レレ)です。好きなチャンピオンは、ヨネです。

Lillebelt:こんにちは。「KDG N1」でコーチを務めさせていただいたLillebeltと申します。好きなチャンピオンは、スレッシュです。

LoL忍者:早速ですが、優勝おめでとうございます!どんなお気持ちですか?

ぷりも選手:とても嬉しかったです!僕自身は当時3年生で、最後の大会ということもあり、チームのみんなで勝利することができて最高でした。

rre選手:優勝できて、最高の気分でした。それに、3年生の皆さんを、優勝で送り出すことができたことも、とても嬉しかったですね。「良かった!」って思いました。

「KDG N1」が現在のメンバーになるまで

LoL忍者:そもそも、「KDG N1」が今のメンバーになったのは、どういう経緯なのでしょうか。

ぷりも選手:僕はもともと別のチームに在籍していたのですが、解散してしまったんです。そんなとき、まりも(注:「KDG N1」のADC)がメンバーを募集しているのを聞いて、応募しました。そこで、まりもに「俺を倒してADCにのし上がるか、サポートをやるか、どちらかを選べ!」と言われて(笑)

LoL忍者:おお。なんだかアニメのワンシーンみたいですね。

ぷりも選手:ですね(笑) 色々と考えて、僕はサポートとして加入することにしました。その後、サポートのshakespeareが加入して、僕はジャングルに転向し、1年生のrre君も入ってきて。そんな流れですね。

rre選手:僕は入学した頃から、「この学校には「KDG N1」という、すごく強いチームがある」という噂を耳にしていました。ぜひ入りたいなと思っていたところ、ちょうどぷりもさんがメンバーを募集していて。緊張しましたが、勇気を振り絞ってぷりもさんに「ぜひ入らせて下さい!」とDMしたんです。それで練習試合でトライアウトを受けて、加入することになりました。

ぷりも選手rre君は、粗削りだけど、とても伸びしろを感じさせるプレイヤーだったんです。チームのみんなと話し合って「みんなで大事に育てよう!」という事になりました。

想定外だった決勝戦

試合に臨むぷりも選手(左)とrre選手(右)。

LoL忍者:放送時のインタビューで、決勝にアートカレッジ神戸が上がってくるとは思っておらず、慌てて戦術を練り直したと仰っていましたね。具体的にはどのようなことが想定外だったのでしょうか。

ぷりも選手:僕たちは、ルネサンス高校が決勝に上がってくると予想していて、ドラフトも事前に組み立てていました。ところが、実際に上がってきたのは、アートカレッジ神戸だったんです。少し慌てましたね。短いインターバルの時間でみんなで作戦を話し合い、プランを急遽修正しました。

rre選手:みんなで知恵を出し合いましたけど、結局時間は足りなくて。実際のドラフトフェーズで、思い切ってピックした場面もありました。最終的には、「これまでやってきたことをしっかりできれば、きっと勝てる!」と自分たちを信じました。

LoL忍者ぷりも選手は好きなチャンピオンであるリー・シンをピックしていましたね。

ぷりも選手:はい。高校生最後の大会ですから、悔いの残らないようにしたいと思っていました。「前の試合がスムーズに勝てたら、リー・シンをピックしてもよい」という約束を、チームのみんなにしてもらったんです。リー・シンを出すと、構成がいびつになりがちなところもあって、味方としては困る部分もあったと思うのですが、「そこまで言うならいいよ」と、納得してもらいました。

rre選手:僕は1試合目で大好きなヨネをやらせてもらったので、2試合目はセトをピックしてチームのために動くことを意識しました。早めにプッシュして、なるべくジャングルと一緒に動いて、チームに寄り添うことを意識しました。集団戦でも、体を張った動きを狙っていきました。

LoL忍者:なるほど。Lillebeltコーチは、決勝戦直前に、コーチングする機会はあったのですか?

Lillebelt:私は当日、LJLの放送がありましたから、大事なことはすべて前日までに準備しておきました。当日は空き時間に、控室で試合の様子をちょくちょくチェックしていました。基本的なことはすべてしっかりできていたのではないでしょうか。2試合目は「あ、好きなことを思い切りやってるなぁ」って思いましたね(笑)

優勝に至るまでの道のり

練習をするrre選手(左)と、見守るぷりも選手(右)。

LoL忍者:チームとしての練習はどのようなものだったのでしょうか。

ぷりも選手:みんなで予定をすり合わせて、多いときは週に3〜4回、チームで練習しました。でも、なかなか都合が合わず、週に一度も練習できないということもありましたね。なんとか予定を合わせて、他の高校生チーム、大学生チーム、社会人チームの方々にご協力いただいて、スクリムをさせてもらいました。そして試合後にみんなで振り返って、お互いにフィードバックをして、改善していくというサイクルですね。

rre選手:僕は加入したての頃、チームに寄り添う動きが全然分からなくて、苦労しました。アグレッシブ過ぎて、すぐ死んでしまったり。でも、ぷりもさんや他の先輩たちに優しく教えてもらって、少しずつ改善できたんじゃないかと思います。

LoL忍者:戦略面では、どういったことをチームとして行ったのでしょうか。

ぷりも選手:例えば、トップから作るゲーム、ミッドから作るゲームなど、まずはさまざまな戦略シナリオをみんなで話し合いながら練り上げます。次に、その仮説を実際のスクリムでぶつけてみる。そして結果を振り返って「ここはできたね」「ここは上手く行かなかったね」と、みんなで振り返って、改善案を考えます。基本的にはその繰り返しですね。Lillebeltコーチのお話を聞けたこともかなり大きかったと思います。

Lillebeltコーチが考えるプロと高校生の違い

STAGE:0 で優勝したご褒美にLillebeltコーチにお姫様抱っこされるぷりも選手。(参考記事

LoL忍者:なるほど。具体的にどんな指導が印象的でしたか?

rre選手:僕はチームで戦うという経験が初めてだったので、教えていただいたことがすべて勉強になりました。例えば、バロンを取ったあとの動きひとつ取っても、今までの僕は考えも無く近くのタワーにまっすぐ向かって獲得しようと考えていました。だけど、Lillebeltコーチに教えていただき、あるタワーを取るためには、その周辺の視界を取らなくてはいけない、その視界を取るためには、この行動を取らなくてはいけない…などと、筋道立てて考えられるようになりました。

ぷりも選手:自分の考えをきちんと言語化できるようになったのも、Lillebeltコーチのご指導のお陰だと思います。お互いの主張を感情的にぶつけ合うのではなく、きちんと整理して話し合うことが、少しずつできるようになったのかなって感じます。

LoL忍者:そうなのですね。では、Lillebeltコーチにお聞きしたいのですが、プロチームのコーチと、高校生チームのコーチの違いはどんなところにありましたか?

Lillebelt:プロシーンでのコーチというポジションの特徴は、非常に限られた時間の中で、必ず結果を出すことが求められることだと考えています。準備期間も多くありません。ですから、私の関わり方も、答えを明確に提示する、ティーチングが多くなる傾向があります。「この場合はこうだよ」と、答えを与えるスタイルですね。ですが、このスタイルだと、選手たちが自発的に考えにくくなってしまうんです。これは私の長年の反省点でもありました。

反面、高校生大会の場合は、準備期間がある程度長いという特徴があります。そこで、私も直接的に答えを与えるのではなく、答えの導き方を教えるコーチングを主眼に置いて取り組むようにしました。「どうしてこのシーンで、こういうアクションを取ろうと思ったの?」と、質問をして、選手と一緒に考えるスタイルですね。もちろん、要所ではティーチングも織り交ぜて指導しました。

LoL忍者:なるほど。そういう指導もあって、選手たちの言語化能力が成長していったのかも知れませんね。

さまざまな色が混ざり合わずに、衝突したことも多かった

戦略を練るぷりも選手(右)とrre選手(左)。

LoL忍者:こうしてインタビューをしていても、お互いに壁がなく仲が良いチームなんだなと感じますが、実際のところはどうだったのでしょうか。

ぷりも選手:仲は良かったです。3年生に関してはもうみんな我が強くて(笑)色んな色があって、そのまま混ざり合わずに一緒になったような面白いチームでしたね。

LoL忍者:皆さん我が強かったんですね。ぶつかり合いもあったんですか?

ぷりも選手:しょっちゅうありました(笑) みんな自分の主張があって、それを容赦なくぶつけ合う。どんどんヒートアップしていくことも少なくありませんでした。これは収拾がつかないな、という場合には、Lillebeltコーチに話を聞いてもらうようにしました。

LoL忍者Lillebeltコーチ、具体的にはどのような対応をされたのですか?

Lillebelt:自分たちで解決できることが理想なので、まずはひたすら静観しました。これはまずいかな、と思ったら介入して、それぞれの主張を聞いて、整理してあげる。これはプロチームでもしばしばあったことなのですが、熱くなりすぎて、自分の主張が一体何なのか、よく分からなくなっている場合があるんですよ。

LoL忍者:なるほど。議論を建設的なものに導いてあげたんですね。

Lillebelt:そうですね。それぞれが主張を持ち、ぶつけ合うこと自体は、よいことです。成し遂げたい共通の目標があるのですから。ですが、相手にも自分と同じように意見があるということを忘れたり、リスペクトを忘れてしまうのはNGです。私は完璧ではなかったかも知れませんが、そういう指導を常に心がけていました。

ぷりも選手rre君に関しては、満場一致で「かわいい…!」と。みんなに溺愛されていましたね。

rre選手:先輩たちには、ノーマルゲームにもよく誘ってもらったり、他のゲームも一緒に遊んでもらったり。とても優しく接してもらえました。

成長を実感できたこと、将来の目標

ピースサインを決めるrre選手。

LoL忍者:リーグ・オブ・レジェンドを通じて、また、チーム活動を通じて、ご自身が成長できた実感はありますか。

ぷりも選手:1番大きな実感は、人付き合いの重要性を学べたことだと思います。僕はもともと社交的ではなく、人付き合いを避けるタイプでした。でも、LoLをやって、チーム活動をすることで、以前だったら絶対に知り合うことができない人と交流を深めることができて、まったく新しい世界を知ることができました。

LoL忍者:そうだったんですね。インタビューの受け答えがハキハキとしていて、そんなふうには感じられなかったので驚きました。

ぷりも選手:いえ、以前は本当に苦手で。「変わらなきゃな」という思いもずっとあったので、接客業のアルバイトにも挑戦したり、すこしずつ努力していきました。LoLというチームゲームで結果を出すためには、自分の考えをきちんと言葉にして、仲間とコミュニケーションして協力しあうことが大事です。それを学ぶことができたのは本当に大きいなと実感しています。

rre選手:僕も同じように、人間関係を築くことができるようになったことが、一番変われたかなと思います。LoLをやる前は、完全にひとりで完結できるゲームだけを黙々とやり続けていた感じで、人と関わり合うようなことがほとんどありませんでした。

でも、思い切って「KDG N1」に入れて欲しいと申し出て、そこからどんどん変わっていけた気がします。DMを送るという行為は僕にとってとてもハードルが高く、本当に勇気が必要でしたけどね(笑) それに、先程も言いましたが、チームの先輩たちに本当に優しく接してもらえたんです。それが、とても嬉しかったです。

LoL忍者:ありがとうございます。優勝をひとつのステップとして、これからはどんな目標があるのでしょうか。

ぷりも選手:今はN高を卒業し、専門学校に通いながら、ゲーム会社のインターンもさせてもらっています。お手伝いをさせてもらいながら、いろいろなことを勉強しています。今後もさまざまな人と関わり合いながら成長して、ゲーム業界で力を発揮することが目標です。

rre選手:僕は、N高にいる間はすべての大会で優勝することが目標ですね。これからも腕を磨き続けます。また、できることなら、在学中にどこかのプロチームの練習生になれたら最高に嬉しいです!

好きなことをとことん追いかけられる、好きなことが見つかる、それがN高

LoL忍者:ありがとうございます。優勝を目指して努力することで、皆さん大きく成長されたんだなと感じました。名越さん、N高の指導方針についてもお伺いしたいのですが。

名越さん:今回の優勝や、2人が人としても成長できたと話していたことは、選手一人ひとりの努力やコーチのご指導の賜物であって、N高が特に何かしたというわけではないと思います。

N高は通信制の高校で、高等学校卒業資格に必要な必修授業はパソコン・スマートフォン・タブレットを使い、動画の授業でいつでもどこでも学ぶことができます。ですから、N高の生徒は、全日制に通う高校生より自由に使える時間があります。そうした時間を使って、好きなことをとことん追いかけられる環境がN高にはあると思います。

ぷりも君とrre君の2人は、その好きなことがeスポーツだったのですが、他にも、大学入学を目指す生徒はオンラインコーチングを活用して勉強したり、プログラミングに興味がある生徒は専門的に学んだり。多くのカリキュラムを用意しているので、今はまだやりたいことがない生徒でも、入学後に見つけられる学校が、角川ドワンゴ学園なのではないかと。絶対に成し遂げたい好きなことを、一人ひとりが見つけて欲しいなって思います。

N高等学校・S高等学校 (通信制高校 広域・単位制)
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勇気を振り絞って、自分自身の人生を掴みたい

ピースサインを決めるぷりも選手。

LoL忍者:ありがとうございます。では、最後にメッセージをいただけますか。

ぷりも選手:高校生だけでなく、これからeスポーツの道に進もうと思っているすべての方たちに共有させていただきたいことがあって。僕が初めて大会で優勝したとき、ご批判や、厳しいお言葉を多く頂戴しました。インターネットでは、目立つ人はどうしても叩かれてしまう傾向にあると思います。目に入ってしまうと辛いかもしれないですが、気にする必要は無いと思います。自分自身の人生なのだから、勇気を振り絞って全力でやりたいことをやったほうがいいと思います。

rre選手:eスポーツを通じて、僕は人としても少しずつ成長できているのかなって思います。いろいろな人と関わり合いながら、今まで見たことのない世界を見ることができました。仲間と力を合わせて頑張って、優勝できたときの気持ちは言葉にできないくらいです。eスポーツに関わる仲間がどんどん増えればいいなって思います。

Lillebelt:私はチーム活動をかれこれ10年以上続けています。なぜここまで続けられるのか。自分自身が向上できるという理由もありますが、何よりも、シンプルに「楽しい」からです。この一言に尽きます。仲間と共通の目標を追いかけて努力する過程は、とにかく楽しいんです。リーグ・オブ・レジェンドは、最初のハードルは高いですが、そのハードルを越えれば、とても楽しい世界が待っています。ぜひトライしてみて欲しいです。

 

管理忍

優勝おめでとうでござる。

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LoL忍者

コメント

  1. 頭悪そうな髪の色してる

    4
    1
    • 頭悪そうなコメントしてる

      43
    • 歳取るともう出来ないんだよ。
      色んな意味でね…

      • 年齢関係なく染めてる奴なんていくらでもいるけどな。でも金髪のおっさんとかきもいの多いのは(ry

        • 髪はあってもジョークを理解するエスプリはないようだね

    • コンプレックス丸出し陰キャいるじゃん
      大学で友達いるか?

      9
      1
  2. LJLで見れる日を待ってるぜ

    12
  3. 楽しそうでいいな 今後lolと関わるのかは分からないけど頑張ってほしい

  4. 毎度インタビュー助かる
    若い芽が育つと良いねえ

  5. どっちも韓国人かと思ったww

  6. rre選手上手ぁ!ぷりも選手Jg新星きたわ!って興奮しながら試合拝見してました。
    高校生やスカウティンググラウンズ等にも焦点を当てて頂けるのは大変嬉しいです。
    17歳Kinatu君もRJで初めて”チーム競技”としてプレイしたとE5eswのファンミで語ってたので、今回選手とコーチ各々の所感を読ませて頂けて大変興味深かったです。

    11
  7. lol忍者殿。この前のevi選手へのインタビューも、今回の高校生選手へのインタビューもとても面白く、熟読させていただいたでござる。
    ところで、ページTOPにあるオリジナルインタビュー・特集記事一覧のページに、上記の記事へのリンクを作成してはいただけないでござるか。
    読み返したいときにすぐ読み返せるようになるととても嬉しいので、どうかご検討宜しくお願い致すでござる。

    • 追加しておいたなり。色々と手が回らず申し訳ないなり。

  8. T1teddy!?

    • 真っ先にこのコメが出てると思った
      3枚目とか完全に一致よね

  9. 御姫様抱っこのサイズ感で笑う

  10. 2人とも笑顔がかわいすぎる。

    2
    1
  11. N高が出てきた時はすげーバカにしてたけど、ちゃんと実績作ってるしコレからも頑張ってほしいな。

  12. 高校生あんま全体的にlolやってる人あんまいない気がするな…

    • パソコン持ってない高校生の方が多いからね