勝率アップにつながるプロのマクロ
- スーパーミニオンレーンプッシュ:これは、アドバンテージを加速させるために“スーパーミニオンが出撃したレーン”を活用すること。スーパーミニオンを放置するとリソースもプレッシャーも失う。
- ロームタイマー:これは、タワー破壊後に生まれる“安全に動ける時間”のこと。ファームを確保しつつ人数差を作るマクロの起点になる。
- ファイナルウェーブ:これは、中立オブジェクト前の主導権を握るために、オブジェクトが湧く30秒前にミッドに到達するウェーブをプッシュすること。集団戦はここから始まっている。
「ソロキューとプロの試合は違う」――この言葉は、一面の真理を表しているだろう。
しかし、プロの試合から全く学べることがないのかというと、それは事実ではないようだ。
今回は、良質な解説動画でソロキュー戦士たちを支えるCoach Rogueのコンテンツから、ソロキューに活かせるプロのマクロを紹介しよう。
スーパーミニオンは放置厳禁?インヒビター破壊後の意外な正解
- スーパーミニオンは敵ネクサス到達までに約90秒かかり、その間にチャンピオン2.5キル分のリソースを味方ミニオンが消費してしまう。
- 放置されたスーパーミニオンは敵ベース前で安全に処理されるだけで、レーンにプレッシャーを与えるどころかリソースをフリーで敵に渡してしまう。
- プロはインヒビターを折ったレーンにも人を送り、ファーム確保・プッシュ加速・ベース内フランクという3つの利点を最大化している。
首尾よく敵のインヒビターを破壊し、スーパーミニオンを出撃させることができた。その後、そのレーンはどうしているだろうか?
おそらく、スーパーミニオンのプッシュに任せて、別のレーンに向かうのではないだろうか。だがCoach Rogueは、「それは大きな間違いだ」と断言する。
彼が提示したのは、スーパーミニオンが敵ネクサスタワーにたどり着くまでの時間。約1分30秒と、意外と長いのだ。
その間にスーパーミニオンが処理した4ウェーブには、経験値1,486、ゴールド780ものリソースが詰まっていた。
これは、レベル14からレベル15に上がるのに必要な経験値に相当し、チャンピオンを2.5回キルした分以上のゴールドにもなるのだ。
そのリソースは誰が取るのか? 味方のスーパーミニオンだ。プレイヤーがその場にいなければ、毎30秒ごとにキル1回分の価値を自動で焼却しているに等しい。
そしてようやく届いたスーパーミニオンの大軍は、敵のベース前で安全に処理されるだけ。そこにプレッシャーなど存在しない。
一方で、プロは違う。インヒビターを壊した後でも、そのレーンに必ず1人を送り込む。
目的はファームだけではない。ミニオンの進軍速度を加速させ、敵に余裕を与えないためだ。そして最も重要なのは、インヒビターを壊したレーンを使って、敵のベース内部からフランク(側面攻撃)を仕掛けるという選択肢が生まれることだ。
スーパーミニオンウェーブ処理に手こずっている敵軍にとって、意識外からのフランクは非常に厄介だろう。
もちろん、スーパーミニオンを出撃させたこと自体はアドバンテージに違いない。しかしプロは、そのアドバンテージをさらに活かして勝利を確かなものにしている。
ミッドの”?”ピン連打はもう怖くない。タワー破壊後のADCの賢い立ち回り
- ボットタワーを折った後にミッドへ向かうと、ミッドレーナーに嫌がられて動きが停滞する場合がある。Coach Rogueはそんなシーンの解決策として“元のレーンに戻る”という選択肢を提案。ロームタイマーというコンセプトである。
- 自レーンを押し上げることで安全なロームタイマーを確保し、タイミング良くミッド合流すれば、人数差でタワーに圧をかけられる。
- ボットウェーブは帰り道でスタックして戻ってくるため、最終的に回収すれば1.5レーン分のリソースを獲得できるマクロになる。
レーン戦での主導権を握り、敵のボットタワーを破壊した。ADCにとって気持ちの良い瞬間だ。
では、その次に何をすべきか? よくある選択肢は「ミッドにローテーションしてタワーを狙う」だろう。ケースバイケースだが、多くの場合それが正解だ。
だが、そこでありがちなのが、ミッドレーナーとの衝突だ。ピン連打、チャットでの怒号、「ここは俺のレーンだ」という無言の主張。結果、動きが止まり、勢いも途切れる。
Coach Rogueは、こうした局面をチャットファイトに展開することなく打開する「もう一つの選択肢」を提示する。それは、いったん元のレーンに戻ることだ。
トップレーナーを例に考えるとわかりやすい。彼らはタワーを折ったあと、すぐに他レーンに移るのではなく、まず自レーンに戻ってウェーブをさらに押し上げる。これによってロームタイマー(移動猶予時間)を確保し、その間にミッドやジャングルにプレッシャーをかけることができる。詳しくは動画のジャックスのマクロを見て欲しい。
ADCもこのコンセプトを応用できる。再びボットレーンを押し上げることで、敵に対応を強いると同時に、自身には安全なルートでミッドに合流する時間が生まれる。これが、ミッドウェーブの到着とぴったり重なる。ミッドでは味方ミッドと共に2人でタワーを攻撃。相手にとっては人数不利な状況だ。(ただし、ADCが一人でマップを移動するのはやめたほうが良いだろう)
しかも、ここが重要だ。この間もファームは失われていない。ボットのミニオンは、あなたがミッドにいる間に自陣側へとスタックして戻ってくる。最後にそれを回収すれば、実質1.5レーン分のゴールドと経験値を得ながら、マッププレッシャーも稼げるということになる。
ソロキューでは、すべてが理想通りに進むわけではない。そんな状況下でも賢く最善手を探す。その姿勢の差が勝率の差につながるのかもしれない。
プロが必ず仕込む集団戦の布石 – ファイナルウェーブの本質
- ファイナルウェーブとは、オブジェクト出現30秒前にミッドに到達するウェーブ。これを押すことで敵を足止めし、リバーの視界を安全に取れる。
- オブジェクト出現90秒前から準備開始。60秒前にサイドを押し、30秒前にミッド合流。この流れが整って初めて“オブジェクトに間に合っている”と言える。
- テレポートがあるなら惜しまず使うべき。重要なのは湧きの瞬間にいることではなく、その前に主導権を取っていることにある。
ドラゴン出現が1分を切り、味方が「集合!」とピンを鳴らし始める。敵もすでにリバーを抑えに来ているが、ブッシュにはワード一つない。進めばどこから襲われるか分からない——そんな不穏な空気、あなたも感じたことがあるのではないだろうか。
Coach Rogueが提示するのは、「ファイナルウェーブ」というマクロの視点だ。
この概念はシンプルだ。
ドラゴンやバロンなどの中立オブジェクトが湧く30秒前に、ミッドレーンに到達するミニオンウェーブのことを「ファイナルウェーブ」と呼ぶ。
このウェーブを先にプッシュすることが、リバーでの位置取りを有利にするカギとなる。
プロシーンでは、5人がファイナルウェーブに合わせてミッドに集まり、敵をタワー前に縛り付ける。
相手がウェーブを処理している間に、サポートとジャングラーがリバーに移動し、視界をすべて確保する。
逆に敵が無理に先にリバーへ入ろうとすれば、ミッドタワーが折られる。だからこそ、ファイナルウェーブは強制力を持つ。
この準備はオブジェクト出現の90秒前から始まる。
買い物やウェーブ処理を済ませ、60秒前にはサイドレーンに向かいプッシュを開始。
そして30〜45秒前に最後のウェーブを押し込み、ミッドに合流する。
最終的に、ファイナルウェーブに全員で間に合っていることが、本当の意味で“オブジェクトに間に合っている”という状態だ。
整理するとこうなる。
- 出現90秒前:買い物など完了
- 出現60秒前:サイドレーンを押す
- 出現30〜45秒前:サイドで最後のウェーブを押し切ってミッドに合流
- 出現30秒未満:ミッドでファイナルウェーブを押してからリバーへ
つまり、「オブジェクトが湧いた瞬間にリバーにいる」=間に合っているのではない。
「ファイナルウェーブに合わせて動けている」=本当に間に合っているというのがCoach Rogueの主張だ。
ベースから歩いて行くとファイナルウェーブに間に合わない。
そんなときは、もしテレポートが上がっているなら「迷わずテレポートを使うべき」とCoach Rogueは断言する。
たとえオブジェクトがまだ湧いていなくても、ファイナルウェーブを先に抑えることが、集団戦を支配する鍵になるからだ。
Coach Rogueについて
この動画の作成者であるCoach Rogueは、元プロプレイヤーとして7年間にわたりリーグ・オブ・レジェンドの競技シーンで活躍し、現在はフルタイムのコーチ兼コンテンツクリエイターとして活動している。
すべてのランク帯(アイアン〜チャレンジャー)に対応した個人コーチングを行っており、その実績と指導内容は、約1,000時間以上におよぶPatreon上の録画アーカイブにまとめられている。これらのセッションはロール別・ランク別に整理されており、プロチームへのコーチングセッションも含まれている。
YouTubeでは、実戦で役立つマクロの知識やメカニクス、コンボをわかりやすく紹介しており、今回の記事もその動画からの内容をもとに構成されている。詳細なコーチング情報などは、Coach Rogue氏のYouTubeチャンネル
および動画概要欄のリンクから確認できる。
ノートが真っ黒になるまで勉強するでござる。
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たすかる