今さら聞けないジャングラーの基本
高みを目指すソロキュー戦士たちを支える良質動画をリリースするCoach Rogueのチャンネルより、今回はレーナー向けのジャングル解説動画を紹介。
主要なガンクタイミングを把握せよ
- ジャングラーの初動はほぼパターン化されており、タイミングを知れば危険な時間帯が読める
- ガンクが成立しやすい“魔の時間”は決まっており、それ以外の時間は比較的安全
- 各時間帯ごとの意味を把握して、ワードやレーンの立ち位置を調整しよう
1:30〜2:30:ガンクほぼなし
この時間帯、ジャングラーは基本的に最初の3キャンプを回っているだけ。レベル1でフラッシュを落とされたなどの特殊なケースを除き、ガンクはまず来ない。
2:30〜2:45:最初のリアルなガンクチャンス
3キャンプ後、レベル3に到達したジャングラーがスタート側のサイドレーン、あるいはミッドを経由して逆サイドへ動き始める時間帯。特にミッドは通過中の“ついでガンク”に要注意。
もし自分がガンクされやすいチャンピオンだったり、ミッドレーンにいるなら、2ウェーブクリア後にワードを置いておくと安心。相手の選択肢を見極められる。
2:45〜3:30:逆サイドレーンに本格的な危険が到来
ジャングラーがマップを横断して逆サイドに移動完了しているタイミング。特にトップ/ボットは、ここからガンクが頻繁に入るようになる。3ウェーブ目を押し込んだ後のワーディングが重要。
3:30前後:超デンジャラスタイム
この時点でジャングラーがまだガンクしていなかったら、次の30秒以内に必ずガンクが起きると思っていい。ジャングラーがキャンプを狩り終えた“空白時間”でガンクに動けるようになる瞬間。ここで死ぬと、相手に追加のゴールド&経験値をプレゼントすることになり、序盤の主導権を一気に奪われる。
4:00〜4:20:最初に回ったキャンプがリスポーンするタイミング
ジャングラーが最初に回ったキャンプがリスポーンし始める。再びスタートサイドへ戻る可能性が高いため、逆サイドのレーンは一時的に安全になることもある。
ここからは「20秒ごとに1キャンプリスポーン」するような感覚で捉えればいい。それによって相手ジャングラーがどこに向かっているかをある程度推測できるようになる。
ジャングラーの基本スクリプトを理解せよ
- ジャングラーは基本的に“スクリプト”という最適ファームルートに従って行動する
- ガンクが成功しやすい時間帯・ルートは決まっており、レーナー側でも予測が可能
- 逆にスクリプトを無視すると、ファーム効率が下がり、ジャングラーとして機能しなくなる重大なリスクを背負うことに
サポートをキルするよりグロンプを狩るほうがお得
たとえば、3キャンプ後にボットレーンのレベル2サポートを倒しても、もらえるキル経験値は76しかない。一方で、グロンプを倒すとその2倍の経験値がもらえる。
しかもガンクにかかる時間で、ジャングラーは2〜3CSぶんのファームが可能。
だから「何が得なのか?」って視点で見ると、ガンクよりファームの方が遥かにおいしいことが多い。
実際の例で確認(動画6:46~)
- ブルーチームのジャングラー(グウェン)はボットスタートでトップに向かうルート。
- レッドチームのジャングラー(エコー)は逆。トップスタートでボットに向かうルート。
両者とも最初は3キャンプを回るが、そこで動きが分かれる。
- グウェンはスクリプト通りにプレイ。
- エコーはスクリプトを無視して、ボットに反転ガンクを仕掛ける。
で、ボットの状況を見て「これはガンク通らないだろ……」って思うけど、運良くガンク成功。キルを拾う。
ただし──
その時点でのエコーの経験値バーを見てみると、ほとんど増えてない。
リコールしてベースから出て、最初のキャンプに戻ってきたとき、グウェンはどうなってたか?
→ フルクリア完了、3キャンプぶん多く回ってて、レベルで1周リード。
しかもグウェンも最後にキルを拾ってる。結果的に両者ともキル1だけど、グウェンは6キャンプ、エコーは3キャンプ。
つまり、グウェンのガンクは全部のキャンプを回った「空き時間」にやってるから、失うものがない。失敗してもノーリスク。
一方エコーは、大量の経験値をドブに捨ててガンクを決行してる。
ここまでで分かってきたと思うが、「3:30のガンク」で死ぬのは最悪のパターン。
グウェンのようにフルクリア→スカトル→リコール→最初のキャンプに戻るって流れをやると、リスポーンまで15秒〜20秒待たなきゃいけない。この「手持ち無沙汰時間」が空く。
だからこそ、グウェンの3:30ガンクは“無料の手持ち無沙汰時間”を使ったもの。成功すれば、ただで追加のゴールドと経験値が手に入る。
一方、エコーは「もらえる報酬=ジャングルファームと同等」かそれ以下のガンクに、めちゃくちゃ大きなリスクを払って挑んでる。
ジャングルチャンピオンの分類とそれに応じた対応
- ジャングラーには「ガンク型」「ファーム型」が存在し、それぞれ動き方がまったく異なる
- セジュアニのようなCC型はスクリプトを外れても成功しやすく、プレッシャーをかけやすい
- 一方、マスター・イーのようなファーム依存型は、ファームを最優先せざるを得ない
ジャングラーのチャンピオンを見るときは、以下の2つの軸で考えるといい。
- ガンクの強さ(=ガンクが成功しやすいかどうか)
- ゴールドと経験値への依存度(=装備やレベルが揃わないと弱いかどうか)
たとえばマスター・イーはどうか?
- CCなし。敵に歩いて近づいて殴るだけ。
- ダメージ出すにはアイテム必須。
→ ガンクの強さ:2/10(おまけで少しあげた)
→ ファーム依存度:10/10
このタイプは、スクリプト通りに動かないと本当に何もできない。ガンクは成功しないし、ファーム逃すと終わる。
つまり、「ガンクできるとき=スクリプト上にいるとき」だけ。
じゃあ逆に、セジュアニみたいなチャンピオンはどうか?
- レベル3の時点でダッシュ+CC3種
- パッシブでタフになれる
- アイテムなくてもCCは仕事する
→ ガンクの強さ:9/10
→ ファーム依存度:3/10
こういうチャンピオンは、多少スクリプトを無視して動いても大丈夫。
ガンクが成功しやすいし、たとえ死んでも味方のためになってることが多い。
つまり、セジュアニみたいなジャングラーを相手にするときは、「さっき学んだタイマー理論」が通じにくくなる。
一方で、マスター・イーみたいなジャングラー相手なら、さっきの理論だけで十分読み切れる。
ただし、「低レートのイーがスクリプト無視して変なガンクしてくる」ことは当然ある。
でもそのガンクは、たいていの場合、失敗したらキャラ崩壊するほど致命的。
スクリプトから逸れたイーがガンクを失敗すると……
- レベルが上がらない
- 装備も遅れる
- ただの「サポートモンスター」になる
これをちゃんと覚えておこう。
チーム構成とガンクの関係
もし自分が、
- ガンク前提のチャンピオン(例:ブリッツ)
- レーン戦でオールインしかないチャンピオン(例:フィズ)
- ガンクに弱すぎるチャンピオン(例:レンジトップ)
を選ぶ場合、味方と敵ジャングルのチャンピオンに目を光らせる必要がある。
たとえば、こんな構成を考えてみてほしい。
- 自分:ヴェイントップ(テレポ無し)
- 味方ジャングル:マスター・イー
- 敵ジャングル:セジュアニ
この構成、チームとして終わってる。
イーはファームしないと強くなれない → 君を守りに来れない
セジュアニは何度でもガンクに来れる → 君が前に出るたびに狙われる
で、これでやられて「なんで助けに来ないんだよ!」って文句を言うのは筋違い。
だって、イーは自分のチャンピオン特性通りにプレイしてるだけなんだから。
赤バフはジャングラーにとって早期ガンクするための条件
赤バフは驚くほどダメージが出る。ガンク時のダメージを大幅に引き上げてくれる。
さらに、スロー効果もある。
CCを持たないジャングラーにとって、このスローは超重要。これがないと、オートアタックを連打できない。
だから、たとえばキンドレッドが赤バフ→3キャンプガンクしてくると超危険だけど、青バフスタートだと火力もスローもなくてガンクにならない。
CC持ちのジャングラーは赤バフ無しでもなんとかなるけど、CC無しジャングラーは、赤バフなしだとガンク不能。
さっきのエコーの3キャンプガンクが「ギリギリ正解」だったとしたら、それは赤バフがあったから。
早期ガンクに成功すると、その後のガンク成功率は下がる
理由はこうだ。
- ガンクでは経験値が入らない(ほぼゼロ)
- ジャングルキャンプが経験値のメイン供給源
つまり──
キルで得られるのはゴールド。このゴールドをアイテムに変えて、そのアイテムでキャンプを高速処理して、ようやく経験値に変換される。
エコーがガンクを連発すると、キャンプを回れず、経験値も入らない。
さっきのガンクでは、3キャンプを犠牲にしてた。
もしリコール後にまた即ガンクしようとすると、さっき回ったキャンプがリスポーンしてる。
→ この時点で、また3〜4キャンプぶんの経験値を放棄することになる。
そして最悪なのが──
リスポーンしたキャンプは、チャンピオンの平均レベルに応じてレベルが決まる。
つまり、長く放置してると、ずっとレベル1のまま。経験値がゴミ。
それをようやく回収しても、リターンは少なく、さらに2分待たないと再リスポーンしない。
結果的に、エコーはいつまで経ってもレベル6に到達できない。
これが、「序盤はスクリプトに従ってファームしろ」と言われる理由。
ちゃんと育たないと、次のフェーズ(=レベル6以降)に入れない。
ジャングラーは時間が進むとガンクを優先するようになる
- 試合が進むと、ジャングラーは“ファームよりガンク”を優先するようになる
- 育ったジャングラーはガンクの成功率が跳ね上がり、リターンも激増する
- この時点では、ジャングラーの動きはトラッキング不可能になる
これは、レーナーの多くが完全に誤解してるポイントなんだけど、レーニングフェーズの終盤になると、ジャングラーの位置をトラッキングするのは不可能になる。
だから、それを前提に行動しないといけない。
最初のエコーの3キャンプガンクの話を思い出してみよう。
- レベル3
- アイテムなし
- ウルトもない
- 相手のサモスペは全部残ってる
- エコー自身に確定CCもない
この条件でのガンクって、そもそも成功率が超低いし、得られるリターンも小さい。
倒せたとしても「レベル2のサポートからキル1つ」ってだけ。タワーに触れるわけでもない。
これが「序盤のジャングルは予測可能」と言われる理由だ。
キャンプをこなさないと何もできないし、リスクとリターンが合ってないから、スクリプト通りに動かざるを得ない。
でも、この状況は時間が経つと180度変わる。
特に、ジャングラーが「自己中」にファームしまくって強くなった場合は、話がまったく別になる。
実際の例で確認(動画14:55~)
11分時点。ジャングラーはベル=ヴェス。レベル7で、ちょうどヴォイドグラブを食べ終えたところ。
スコアボードをタブで確認すると、サイラスが超育ってる。
- フルアイテム持ち
- ダークシール10スタック
- キル5
- ダメージ4,000ゴールド分
完全にバケモノだ。
さあ、ここで判断するべきことは?
「ファームすべきか? ガンクすべきか?」
- トップジャングルには3つのキャンプが残ってる。
- でもミッドには「フラッシュなしのイレリア」+「暴れ散らかしたサイラス(ザイラのウルトコピー済み)」+「ベル=ヴェス自身もフラッシュあり&進化済み」
──この条件、ガンクが失敗する要素が一切ない。
100回やっても100回成功する。
だったら……ファームなんてしてる場合じゃない。
「ガンクこそが、最も効率のいい選択肢」になる。
で、実際にガンクしてキルを取った。
もちろん、ファームの時間が無駄になってるってのも事実だけど、この場合は問題ない。
このあと、ベル=ヴェスはさらに悩むことになる。
- 自陣にジャングルキャンプが5つ残ってる
- でも、今は4,000ゴールドぶんのダメージと、進化フォーム持ち
- トップでは、トリフォース持ちのカミールがTPで帰還中。アルティメットもイグナイトもある
──これ、またもやファームじゃなくてガンク優先。
そのままトップに向かいダイブ。キル、タワープレート、そしてヴォイドグラブのバフでタワー破壊スピードが激増。
これが、レーニングフェーズ後になると「ジャングラーのトラッキングは不可能になる」理由。
- 育てば育つほどガンクの成功率が上がる
- そして、ガンクのリターンも爆発的に増える
だから、時間が経つほどジャングラーはガンクを選ぶようになる。
ガンクに来て欲しければPingを炊くのではなくヴォイドグラブを手伝え
- ヴォイドグラブ取得後は、ガンク→タワー破壊の流れが倍速で進む
- ジャングラーにとって“ガンクする価値”が跳ね上がるトリガーとなる
- レーナーもグラブを手伝うことで、自らに有利な展開を引き寄せられる
- 「来てくれ」とPingする前に、ヴォイドグラブを一緒に取ってやれ
- ファーム型ジャングルですら、その後は積極的に動くようになる
- ジャングラーにとって“動いてもいい状況”をレーナー側で整えてあげる意識が重要
ヴォイドグラブを取ると、タワーへのダメージが爆増する。だから、ガンクのリターンが2〜3倍になる。
ふつうのガンクなら、
- キル1
- ウェーブロストさせる
- タワープレート1〜2枚
がリターン。
でも、ヴォイドグラブを持ってると
- キル1
- ウェーブロストさせる
- タワープレート4枚!
- ファーストタワー!
- グラブバフで大加速!
だから、ジャングラーは「ファームするより、ガンクした方が得だな」って判断をしやすくなる。
つまり──
ジャングラーにガンクしてほしいなら、「ヴォイドグラブ取らせてやれ」。
まとめ:マスター・イーにキレるな
もし味方のマスター・イーが、延々とフルクリアしてる間に、君が何度もガンクされててもキレるな。
イーは、自分のキャラにとって最善のムーブをしてるだけ。
早くレベル6になって、ヴォイドグラブ争奪戦で勝てるようにしてくれるかもしれない。
そして、そこで勝てば、ようやく彼も「スクリプトを外れて、ガンクマシーン」になれる。
そう、「ファームを捨てても成功率とリターンが見合う」と判断できる瞬間が来るんだ。
Coach Rogueについて
この動画の作成者であるCoach Rogueは、元プロプレイヤーとして7年間にわたりリーグ・オブ・レジェンドの競技シーンで活躍し、現在はフルタイムのコーチ兼コンテンツクリエイターとして活動している。
すべてのランク帯(アイアン〜チャレンジャー)に対応した個人コーチングを行っており、その実績と指導内容は、約1,000時間以上におよぶPatreon上の録画アーカイブにまとめられている。これらのセッションはロール別・ランク別に整理されており、プロチームへのコーチングセッションも含まれている。
YouTubeでは、実戦で役立つマクロの知識やメカニクス、コンボをわかりやすく紹介しており、今回の記事もその動画からの内容をもとに構成されている。詳細なコーチング情報などは、Coach Rogue氏のYouTubeチャンネル
および動画概要欄のリンクから確認できる。
雁首揃えて待つでござる。
おすすめ関連記事




コメント
とにかくTOPは3分30秒だけはキル取れそうでもおとなしくしとけ
あとTOPJGデュオだと利益無視してしつこくガンクしてくるから諦めて消極的にプレイしろ
大体ボットに向けてフルクリアするから
ボットに気を付けてほしいけどね
トップは押したら手持ち無沙汰でワード置く人多いけど
ボットはタワー下ハラスに夢中になってる人多い印象
上に素晴らしいまとめられた記事があるのに、とにかく〜とか我が物顔コメント出来ちゃうのすごいな
キミこそ消極的になったほういいよ。