仕様の穴を突いた新レーンスワップ戦術の秘密
- サポートが序盤XPを取らずロームし、ADC+トップを常時ソロレーン化
- ミニオンのキャッチアップXPを利用し、敵平均レベル6到達後にサポートが急成長
- フィアレスドラフト下で致命的不利対面の無効化手段として継続採用の可能性が高い
Riotの対策によって封じられたかに見えたレーンスワップ戦術。レーンスワップとは、主にボットのマッチアップ不利を避けるためにレーンを”スワップ(交換)”し、序盤のレーン戦を安定させる戦術だ。
しかしプロは一枚上手を行った。各チームはサポートの経験値獲得を意図的に外し、ADCとトップにソロXPを集約する“実質3ソロレーン化”で序盤のレベル先行を作り、キャッチアップXPでサポを一気に成長させる戦略を採用している。従来のレーンスワップ対策の穴を突く、再現性の高い勝ち筋だ。
良質な動画でソロキュー戦士を支えるCoach Rogueの解説動画をもとに、新レーンスワップ戦術の要点を整理した。
仕組みの核
- 目的は主にボットレーンの致命的不利対面の回避と序盤のレベル先行。見た目はレーンスワップだが本質は3ソロレーン化。
- サポートが意図的にXPを取らずにロームし、ADCとトップが常時ソロXPを取れるようにする。
- ボット2v1はタンクに任せ、ドランシールド+息継ぎ+テレポートで耐えさせる。
- キャッチアップXPの仕様を利用し、所定のタイミングでサポートがレーン復帰して一気にレベルを取り戻す。
実行フロー(標準手順)
- サポートはボットでレベル2まで滞在(2ウェーブ程度)。最低2つのスキルを取り、ギリギリロームできるようにする。
- サポートは経験値を吸う圏外へ離脱し、リバー〜ミッドでローム開始。
- レーンスワップ検知解除に合わせて介入
- ミッドは2:15で解除 → ここからミッド介入可
- トップは4:00で解除 → 4:00以降はトップ介入も可
- 敵平均レベルが6になったらキャッチアップXPが有効化されるのでサポートはレーン復帰。
- サポートはキャッチアップXPで急成長し、以後は通常運用。
仕様の要点(抑えておきたい数値感)
- チャンピオン撃破のキャッチアップXP:相手より低いレベル差×+20%。高い側は−20%。
- ミニオンのキャッチアップXP:自分と敵チーム平均レベルの差で加算。レベル2差で+80%、3差で+120%など。有効化は敵平均レベル6到達後。ここからサポートが急速成長モードに入る。
なぜ有効か
- 3ソロレーン化でADCとトップにたくさん経験が入る。
- サポートの遅れはミニオンのキャッチアップXPで短期間に解消可能。
- 最悪の対面(例:フック系 vs エンチャンター)を実質無効化。
- サポートが序盤レーンに縛られないため、解放の魔導書の弱さを無効化できる。
観戦時の識別ポイント
- サポートがレベル2で離脱 → 2:15以降はミッド周辺うろちょろ、4:00以降はトップ介入。
- ミニオンLv6到達の瞬間にサポがレーン復帰してXPを取り始め、急成長。
展望
- フィアレスドラフトで“致命的対面”が増えるため、この戦略は継続・拡大する可能性が高い。重複使用不可でチャンピオンプールが圧迫され、対面リスクを3ソロレーン化で無効化する価値が上がる。
- Bo5の増加で採用余地が広がる。シリーズが進むほどカウンター札が枯渇し、序盤の不利回避+レベル先行の期待値が上がる。
- サポートの鬼強キーストーン解放の魔導書が引き続き有効。序盤レーンにいないのででデメリットが目立たず、中盤以降のユーティリティを最大化。
- 対抗策(2:15〜4:00の介入強化、ミニオンLv6到達前の強制交戦、ウェーブ管理の最適化、タワープレート管理の徹底など)が一般化するまでは、先行採用側が期待値を取りやすい。
- 運営の微調整余地(キャッチアップXPや検知タイミング)があるが、現行仕様では再現性の高い勝ち筋として定着しやすい。
Coach Rogueについて
この動画の作成者であるCoach Rogueは、元プロプレイヤーとして7年間にわたりリーグ・オブ・レジェンドの競技シーンで活躍し、現在はフルタイムのコーチ兼コンテンツクリエイターとして活動している。
すべてのランク帯(アイアン〜チャレンジャー)に対応した個人コーチングを行っており、その実績と指導内容は、約1,000時間以上におよぶPatreon上の録画アーカイブにまとめられている。これらのセッションはロール別・ランク別に整理されており、プロチームへのコーチングセッションも含まれている。
YouTubeでは、実戦で役立つマクロの知識やメカニクス、コンボをわかりやすく紹介しており、今回の記事もその動画からの内容をもとに構成されている。詳細なコーチング情報などは、Coach Rogue氏のYouTubeチャンネル
および動画概要欄のリンクから確認できる。
管理忍
Riot対プロチームでござる。
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コメント
いろいろ考えるなぁ。けどRiotはこういうシステムの穴をついた戦略を嫌うからすぐ対策されるだろうね