OP
俺の目はかろうじて開いているが、足取りはくたびれている。部屋の灯りは消したまま、椅子に腰を降ろし、モニターの電源を入れる。モニタから放たれる眩しい光が俺の角膜を傷つけ、一瞬面食らうが、その痛みはすぐに消える。
ログインしながら、今日は何をプレイしようか考える。
「サポートだな」
サポートを選んだ理由は2つ。まず、サポートなんて簡単だから。そしてもう一つの理由は、最近バードのスキンがチェストから出たこと。バードをやったことはほとんど無い。でも、これは俺にやれと言っているようなものだ。そう思うが早いか、早速マッチングが見つかった。
俺はファーストピックのようだ。まず、俺はマルファイトをバンする。このゲームで最も壊れたチャンピオンだからな。そして戸惑うこと無くバードを即ロック。これでOKだ。残りのメンツがチャンピオンを選んでいる間、俺は下にマウンテン・デューを取りに走る。
マウンテン・デューを握りしめて部屋に戻ろうとすると、母ちゃんが仕事の準備をしているのが見えた。「あんた、職探ししてるの?」と母ちゃんが聞いてきた。「うるせえな!こないだ履歴書を山程送ったから、今は返事待ちなんだよ」と、俺は返事をした。母ちゃんは俺のことをちっとも信じていない。
腐ったハンバーガーとか、何十本もの炭酸飲料の缶をかき分けながら、マウンテン・デューを片手にデスクに戻る。どれどれ、俺のチームの構成はどうなった?
- トップ: TTVDariusAxex10140 – ダリウスOTP
- ジャングル: IfuckedmyKha’zin – カ=ジックスプレイ回数3回、アムムプレイ回数3000回のカ=ジックス使い
- ミッド: YasMyOuuu – ゼド
ふむ、なるほどな。で、Riotがマッチングした俺のパートナーは……。
1400試合したアフェリオスで、ブロンズ4への昇格戦中か。今の所2-2で、あと1勝すれば、晴れてアイアンとはおさらばってわけね、こいつは。
そしてゲームが始まった。俺はリーシュのために赤バフに向かった。赤バフが沸くまでに、DMでも来てないかなと思って、ALT+TABでチェック。DMはひとつも来てなかった。まぁいいや、と、マウンテン・デューの蓋を開けて、最初のひと口を飲もうとしたその時、ものすごい勢いでピンの音が鳴り響いた。俺は慌ててALT+TABでゲームに戻る。俺は敵のブリッツクランクに引っ張られていた。
ファーストブラッド。
う、う、ウオオオオアアアアアアア!!!!!俺は怒りに任せて、机を何回も殴りつけた。でも、これ以上机を叩くと、またババアにキレられる。これが最後の一撃だ。俺は全力で机を叩いた。
机は、長年にわたる俺の過ちと、慎みのない怒りに耐えかねて崩壊した。その音は家中に響き渡った。
俺のPCは壊れ、ガラスパネルは粉々に砕けていた。マウンテン・デューがこぼれてその傷口まで届き、侵入し、PCは活動を停止しようとしていた。俺の唯一の友だちが死んだ。
大きな音を聞きつけて、何事かと母ちゃんが走ってきた。母ちゃんは殺戮の中に立ち尽くす俺を見つけた。
翌朝。俺は両親に座らされ、人生における目標や方向性の欠如について話し合うことになった。働くか、出ていくか。最後通牒を突きつけられた。
心の隙間をゲームで埋めるのではなく、地元のガソリンスタンドで働いて、正しく人生を過ごす。最初の数ヶ月は素晴らしいものだった。好きなものを買うために、自分自身で努力できる。洋服を買い、みすぼらしくない格好もできる。この調子なら、デートだってできるかも知れない。
ある厳しい冬の朝、身長150cm、横幅180cmくらいの、太った小男が店に入ってきた。その男は、安物のコロンの臭いが混じった体臭を放っていた。
似ている……あの頃の俺に。
興味を持った俺は、この男と少し世間話をすることにした。基本的な自己紹介を済ませると、その男はこう聞いてきた。
小男「ゲームするの?」
俺「いや、もうやってない。ゲーム依存症だったから、今はやらないようにしてる」
小男「マジかよ。なんのゲームやってたん?」
俺「LoLだよLoL。リーグ・オブ・レジェンド。ジャングルメインで回してた」
小男「お!俺もLoL好きだよwww 俺、アフェリオスOTPなんよwww」
俺「マジかwww 俺がLoL辞める時最後に組んだのアフェリオスOTPだったわwww そいつ昇格戦中であと1勝だったんだけど、俺途中で切断しちゃったからwww」
空気が変わった。
小男の顔に、薄っすらと怒りが広がっていくのを感じた。しばしの静寂ののち、小男は腰に手を回した。銃声が鳴り響き、俺の頭は真っ白になった。
俺は悲鳴を上げながら目を覚ました。心配した母ちゃんが「どうしたの!」とドアを開けて入ってきた。俺は泣きながら母ちゃんにすがりつき、今までのことを詫びた。「ごめんよ、お母ちゃん。俺、明日から仕事を探すよ、絶対」。お母さんは少しの間俺を抱きしめてくれたあと、部屋の電気を消して、ドアから出ていった。
その後、俺はとりあえずバードをピックした。そして負けた。
Aphelios
で、地元のガソリンスタンドに就職することは考えたのか?
マウンテン・デューを握りしめて部屋に戻ろうとすると、母ちゃんが仕事の準備をしているのが見えた。「あんた、職探ししてるの?」と母ちゃんが聞いてきた。「うるせえな!こないだ履歴書を山程送ったから、今は返事待ちなんだよ」と、俺は返事をした。母ちゃんは俺のことをちっとも信じていない。
あの……真実すぎて、数分ぼーっとモニタを見つめるしかできなかった。悲しいけどこれが現実なんだよ、チクショー。
>>Aatrox
OP
ほんの小さな一歩でいいんだぜ!毎日、少しずつね。
お部屋を掃除して、洋服を洗濯して、新しい料理を作ってごらんよ。
フルタイムで働きたくないなら、週2〜3日でもいいかもしれないね。
簡単なことからスタートしてごらん。それが普通に感じられるようなったら、少し新しいことに挑戦してみるんだ。毎日少しでもいいから、自分に問いかけてみてくれ。最終的には外に出て、クソみたいな人生を送るのが楽になるぜ。
「正論はナイフより鋭い」でござる。
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コメント
履歴書の返事待ちにLoLを遊ぶと御社からの電話gankで死ぬ
ソースは俺
なるほどな。で、何分後に折り返しの電話をしたんだ?
とりあえず部屋掃除してみるわ
こういうのネタでもやめろ
まだまだ下がいるな…って安心するクズが沸くぞ
ソースはおれ
いきなり正社員でバリバリ働く必要はないんよ
LOLだって一気にレートを上げれるわけじゃないだろ?
まずは簡単な事から始めて、やれる事を一個ずつ増やしていけばいいんよ
少しずつ進んでいけば、そのうち「昼休みにスマホで見るLOL忍者も悪くないな」って思える日が来るでござる
「昼休みにスマホで見るLOL忍者も悪くないな」から滲み出る実体験臭
地獄やめろ
最初は1日4時間の週3とかで働くのもオススメでござる(経験則)
人と比べるのではなく、昨日の自分よりも一歩前出る事が肝要なのでござるよ
昼休みにスマホで見るLOL忍者も悪く……いや広告多すぎてダメだこれ!
海外のお前ら
アイアンを小馬鹿にしすぎだろ
誰かこの人の住所知らないか?
情報求む
アイアンを小馬鹿にしてる人間の住所1億くらいあるからどれか迷うな
1億しかいないのか
世界は捨てたもんじゃないな
LOLのプレイヤー人口に等しいのか
実際アンランクもアイアン4もアイアンを見下しているしな
翻訳者の日本語スキルが高いな。英文を読んで意味は分かっても読みやすい日本語の文章にするって大変なのよ。このサイトはもっとそこを認められてほしいな。
名分だった
怪文書
多分エナドリの取り過ぎによるカフェイン中毒も併発じゃないですかね?
ブロンズでハードスタックしていたニート時代の自分を思い出す。俺はブロンズ5。当時はアイアンがなかったから一番下だった。五ヶ月でプレイ時間は1000時間になった。もう戻りたくない過去だ…。