負け試合がしんどいのは前提 – それでも勝機はある
高みを目指すソロキュー戦士たちを支える良質動画をリリースするCoach Rogueのチャンネルより、今回は負けているときのマクロ解説動画を紹介。
負けているときのミッドウェーブコントロールとは
- 劣勢のときは、マップ上で起きることに対して、自分たちが決定権を持つことはほとんどない。
- 代わりに、敵が何をするかを見て、それに反応していくプレイが必要になる。
- これは一見悪いことのように思えるが、実はこれはとても自由度が高く、普段とは違うマクロ戦略を使うチャンスでもある。
- これは「ミッドウェーブの主導権争い」を例にすると分かりやすい。
ミッドのウェーブはすぐに処理する方が良い――ただし、勝っているときは
- 基本的に、ミッドウェーブは出現したらすぐに処理するほうがいい。
- というのも、ミッドのウェーブは他のレーンより到達速度が早いからだ。
- つまり、ミッドのウェーブを早くクリアすれば、その後すぐにサイドにローテートして、少し遅れて到着するサイドのウェーブと一緒に人数差でタワーをプレッシャーできる。
- ただし、これは勝っているときのマクロ。
負けているときは、すぐ処理できないならタワー下まで下がってから処理。中間でウロウロするのはNG
- 劣勢側は、ウェーブが到着して2~3秒以内に触れないなら、下がるべき。
- そして、タワー下まで届いた段階で初めて対応する。
- つまり、「即処理」か「最後まで待って処理するか」のどちらかしかない。中間は存在しない。
- だが、多くの人はこの中間で中途半端な動きをしてしまう。
NG例:中間でウロウロするヴァルス(3:00~)
- 例えば、動画(3:00~)の例では、ヴァルスが折れたタワーとインナータワーの間で意味なくウロウロしている。
- 敵視点から見ると、ヴァルスの位置がすでにバレている。これは非常にもったいない。
- なぜなら、劣勢時に唯一できる「相手が油断するかどうか試す」というアクションを自ら潰してしまっているからだ。
ウロウロをやめて、味方とジャングルに待機。そして勝機を見出す
- ここで一旦ブルーチーム(優勢側)に視点を移してみよう。次にやることは明白だ。ボット側ジャングルの視界を取ることだ。
- しかしブルーチームが正面から顔を出して入ってくることは原則としてない。なぜならブッシュにこちら全員が潜んでいる可能性があるからだ。なので、彼らは一度ミッドをプッシュし、誰かがミッドに映ったのを確認してから入ってくる。
- ここでチャンスが生まれる。
- さっきのヴァルス、本来ならミッドを15秒もうろつくのではなく、味方と一緒にジャングル内でブッシュ待機しておくべきだった。
- こうすれば、「敵がミッドに映っていないのに、無警戒にジャングルに入ってくるかどうか」をテストできるからだ。
- もし相手が油断してジャングルに先に入ってきたら、ミッドのウェーブは捨ててキルとトレードすればいい。
- 逆に相手が賢くて待機していた場合は、仕方なくウェーブをタワー下で取ればいい。
- 毎回こうして相手が油断するかどうかを試すことができる。
油断した優勢チームの例(6:12~)
- 割とこの作戦はうまくいく。
- たとえばこのラカン。味方のサイドレーナーは視界に映っていてテレポートもなく、ADCはジャングラーと赤バフを取りに行っていてラカンだけ一人ぼっちな状況。
- それにも関わらず、ラカンが一人でブッシュに突っ込んでくる。そこをポッピーが捕まえた。
- もしヴァルスがウロウロせず、ちゃんとジャングルにいて待ち構えていれば、これはイージーキルになったかもしれない。
- このようなサポート一人のキルでさえ、とても価値が高い。
- なぜならデスタイマーとリスポーン後に戦線復帰する時間を合わせると、約2分間敵が動けなくなるからだ。
ヒント:できるだけジャングルにウェーブを引き付けて処理する
- ウェーブを処理する場合は、タワーに届くギリギリで処理し、そのウェーブをジャングルに引き込むようにする。これによって、ジャングルでの滞在時間が長くなり、位置がバレにくくなる。
- また、必ずミッドレーンにワードを置いておくこと。敵が次に何をするかを確認できる。
時間をかければ、差は必ず埋まっていく – それがLoLというゲーム
時間をかければ解消されていくレベル差、ゴールド差
- LoLでは、アイテムは6つまで、レベルは18が上限。勝っている側が最大値に到達すれば、それ以上強くなることはない。一方で、負けている側はその間に徐々に追いつくことができる。
- また、リードの価値はゲームが進むにつれて自然に薄れていく。
- たとえばレベルアップに必要な経験値を見ると、レベル1ではたったの280XP(約4.5体分のミニオン)だが、レベル17では1880XP(30体以上のミニオン)も必要になる。レベルアップに必要な経験値がどんどん増えていくのだ。
- つまり、最初に1レベル差をつけられても、その差が広がらないなら、レベル5時点では差は0.5レベル、レベル10ではほぼ差が消える。
負けているときの防衛網を築く方法
負けているときは、たとえ情報量が減ったとしても、長持ちするワードを置く
- 勝っているときは、相手の行動を読むために積極的な場所にワードを置けるが、負けているときは、それらのワードを守れない。だから、攻めのワードをやめて、少し情報量が減っても、バレにくく長持ちする場所に置くべきだ。
- たとえば、敵がスイーパーやコントロールワードで探しに来るルートを予測し、それを外すようにワードを配置する。こうすれば、ワードが破壊されにくくなる。
勝っているときは赤トリンケットを増やし、負けているときは青トリンケットを増やす
- 覚えておくべき法則として、「勝っているときは赤トリンケット(スイーパー)を増やし、負けているときは青トリンケットを増やす」こと。
- これにより、リスクを負わずにバロンなどの中立オブジェクトの確認ができる。
まとめ
- 劣勢のとき、無理して何かをする必要はない。
- 敵がリードを広げなければ、こちらは徐々に追いついていく。
- そしてその間にやるべきことは、「相手が油断するかどうか試すこと」と「完璧な防衛網を築くこと」だ。
Coach Rogueについて
この動画の作成者であるCoach Rogueは、元プロプレイヤーとして7年間にわたりリーグ・オブ・レジェンドの競技シーンで活躍し、現在はフルタイムのコーチ兼コンテンツクリエイターとして活動している。
すべてのランク帯(アイアン〜チャレンジャー)に対応した個人コーチングを行っており、その実績と指導内容は、約1,000時間以上におよぶPatreon上の録画アーカイブにまとめられている。これらのセッションはロール別・ランク別に整理されており、プロチームへのコーチングセッションも含まれている。
YouTubeでは、実戦で役立つマクロの知識やメカニクス、コンボをわかりやすく紹介しており、今回の記事もその動画からの内容をもとに構成されている。詳細なコーチング情報などは、Coach Rogue氏のYouTubeチャンネル
および動画概要欄のリンクから確認できる。
管理忍
逆転したときは最高でござる。
おすすめ関連記事

【LoL】ジャングラーはなぜ来ない? なぜ来る?レーナーが知っておくべきジャングルのすべて
【LoL初心者必見】ジャングラーの動きとガンクタイミングを完全解説。Coach Rogueが語る、勝敗を分ける“スクリプト理論”の真実とは?

【LoL】勝率に差がつくプロのマクロ3選 - 「ファイナルウェーブ」ほか
プロが実践する3つのマクロを紹介。スーパーミニオンの活用、ロームタイマー、ファイナルウェーブで勝率アップ。

【LoL】なぜプロは1,000G以下でリコールするのか? 最新メタに対応する“早期リコール”の考え方
プロが1,000G以下でリコールする理由とは?最新メタに対応した“早期リコール”の狙いとメリットを、元プロの視点から解説。
コメント
要するに負けてる時はミス待ちしようねという話なんだけど、ソロQだとそれが難しいよね
軽率にウェーブを危険地帯までプッシュして死に続ける味方だったり、エンゲージタンクが負けてても同数でエンゲージ仕掛けて、負けがスノーボールしてどうしようもなく負ける試合も多い
もちろん難しいけど、ピンやチャットを打つことで変わることもあるし、この記事のようなブッシュ待機するだけで流れが変わることもある
個人的にはもっと建設的なチャットとピンをみんな増やせばいいのにと思うわ、このラカンのシーンでも赤バフ食べてるADCかJGがブッシュに黄色ピン一つ打つこともできることの一つだし、ポッピーもオンマイウェイとヘルプピンを炊いてラカン探していたらヴァルスの立ち位置と注意も違っていたかも