CFO Chawyコーチ、国際舞台での躍進と次世代育成を語る
メジャー地域とのBo5で2012年以来の勝利を挙げたCTBC Flying Oyster。Sheep Esports (Interviewer: Armand Luque)のインタビューでヘッドコーチChawyは、ドラフト準備の裏側、若手HongQの成長、地域間の力関係、そして次戦への展望について語った。
これは、あなたの地域にとって2012年以来となるメジャー地域とのBo5勝利であり、歴史的な瞬間です。あなた個人にとってこの成果はどのような意味を持ち、今どんな気持ちですか?
Chawy:MKOIは本当に手強い相手でした。ドラフトの準備には非常に頭を使いました。というのも、MKOIのトップとミッドは、私たちの地域では有り得ないようなユニークなピックや強力なカウンターピックを用意していたからです。先ほどもお話ししたように、私たちがBo5で勝利したのはシーズン2以来のことです。ですので、これはチーム全員、そしてファンの皆さんにとって本当に歴史的な瞬間になりました。大きなプレッシャーがのしかかっていましたが、やりきることができました。最高の気分です。
Kaiwing選手は、MKOIやEMEAのチームは独特なピックや戦術を持っていて準備が難しいと話していました。今日の試合でも、ゲーム3で出されたイレリアが少し苦戦の原因になっていたように見えましたが、これは想定していた展開でしたか?
Chawy:準備は本当に難しかったです。ゲーム3では、まさかあんな感じでイレリアとポッピーを出してくるなんて、全く予想していませんでした。特にポッピーをピックされたことで、イレリアに対するカウンターを出せなくなってしまいました。あれは本当に頭が良いですよね。勝ったゲームでは、私たちはドラフトに全力を注げば、どんなユニークなピックにも対応できるという確信を持っていました。
最終戦でアフェリオス+スレッシュを出して、カリスタを完全に封じ込めました。これはカリスタ+レナータに対する強力なカウンターだと考えていますか?それともスキル差によるものですか?
Chawy:事前にしっかりリサーチをしていました。特にボットレーン、とくにサポートについては、Alvaro選手がKaiwing選手と似たチャンピオンを使う傾向があることがわかっていました。彼はメレーで前に出ていくタイプのエンゲージサポートを好むので、強い遠距離サポートはあまり使ってこないんです。だから、カリスタとレナータ・グラスクを相手に渡しても大丈夫だと自信がありました。こちらがアフェリオスとスレッシュでうまく立ち回れば、レーン戦で主導権を握って勝てると確信していました。カリスタとレナータでレーン戦に負けてしまったら、その試合には勝てませんからね。
先ほどMKOIは手強い相手だったと語っていましたが、EMEA全体として見ると今回のMSIはかなり厳しい結果になっています。EMEAが「最弱地域」だという声も出ています。長年過小評価されてきた地域の代表として、現在の地域間の力関係をどう見ていますか?
Chawy:ヨーロッパのファンの皆さんは、そんなに落ち込まなくて大丈夫です。フィアレスドラフトのおかげで、地域間の差はこれまでになく縮まっています。私たちはT1を相手にフルセットまで持ち込みましたし、ヨーロッパもBLGやGen.Gからゲームを取っていました。あれは本当に素晴らしかったです。どうか胸を張ってください。私たちは長い間最弱地域と言われてきたので、その気持ちはよくわかります。でも、どうかくじけないでください。皆さんなら、もっと強くなって戻ってこられると信じています。
LCPの勢いが着実に増しています。これはかつてのFlash Wolvesのような、新たな時代の始まりだと感じていますか?
Chawy:私たちは「新たなFlash Wolves」になりたいわけではありません。目指しているのは、Flying Oysterとしての道です。このチームを立ち上げたとき、マネージャーのKevinと一緒にたくさんのことを計画しました。その時から、私たちがこの地域で久々に最高のチームになると確信していましたし、これからもそうあり続けるつもりです。
HongQ選手が注目を集めています。まだ18歳になったばかりですが、元ミッドレーナーのあなたから見て、彼のような次世代を指導するのはどんな気持ちですか?
Chawy:HongQをスカウトして話をしたとき、Kevinと私は「彼には私がぴったりのコーチだ」と確信しました。彼はルーキーなので、ミッドレーンについて本当に深く理解している人が必要でした。そして、それが私だったのです。
最初のころの彼は、本当に簡単にミッドでガンクされて倒されてしまったり、集団戦でもすぐに落ちてしまったり、サイドレーンでの立ち回りもわかっていませんでした。けど、メカニクスとスキルに関してはマジでぶっ壊れでした。本当にとんでもない才能の持ち主です。
私やこちらの選手たちが教えることを、彼は何でもものすごいスピードで吸収します。たとえ彼がライズを使えなかったとしても、私が教えてリプレイを見せれば、翌日にはまるでライズメインのようなプレイをするようになります。こんな才能、正直信じられないくらいですよ。
HongQは、世界最高のミッドレーナーになれる素質があると思いますか?
Chawy:彼は本当に運のいい選手だと思います。プロ1年目で、これだけ経験豊富なベテランたちに囲まれているのですから。JunJia選手、Kaiwing選手、Doggo選手……みんながとても辛抱強く接してくれています。
おっしゃる通り、チームの雰囲気は本当に最高です。みんなで一緒に楽しんでいて、変にプレッシャーをかけ合ったり、誰かを責めたりすることもありません。誰かがミスしても、ただ笑って受け流す。そういった空気こそが、HongQのような選手が成長するには最適な環境だと思います。
彼はこれまで一度も、私たちをがっかりさせたことがありません。これからも私は彼に教え続けますし、彼も国際大会を通じてどんどん学んでいくはずです。Jojopyun選手、Chovy選手、Faker選手といった選手たちとの対戦を通じて、吸収できることは山ほどあると思います。
次の対戦相手はAnyone’s Legendと、HongQ選手と同じく注目株のShanks選手です。このマッチアップについて、どんな展開を予想していますか?
Chawy:Anyone’s LegendのコーチであるTabeコーチは、2018年に私のコーチをしてくれていた方です。だから今回は、全力で彼のチームに挑むつもりです。ALは本当に、とても強いチームで、LPLの歴史の中でも屈指の強豪だと思っています。Tabeコーチの指導のもとでの試合運びは非常に賢く、洗練されています。ですので、私たちも全力で彼らに立ち向かいます。
それから、先ほども触れましたが、Shanks選手はHongQに似たタイプの選手です。圧倒的な才能を持ち、ここ最近の成長も著しいです。油断したところを突くのは非常に難しく、チャンピオンプールも驚くほど広い選手です。私たちも全力を尽くしますし、ファンの皆さんに最高の試合、Bo5での熱戦をお見せできたらと思っています。
次の試合も、格上だと思っていますか?
Chawy:間違いなくそうですね。でも、私たちは全力を尽くして勝ちにいきます。トップ4に進出したいですし、できれば決勝まで進んで、もう一度T1と対戦したいと思っていますからね。
もう10年以上もこのシーンにいるわけですが、自分の歩んできた道や、これまでのキャリアについて誇りに思っていますか?
Chawy:私がLoLを始めたのはシーズン0、WCG 2010のときでした。本当に長い道のりでした。でも正直に言うと、これまでの実績に誇りがあるかと聞かれたら、そうでもありません。今の私にとって大切なのは、若い世代の選手たちが最高の結果を出せるようにサポートすることです。
もし当時の自分に、もっと良いコーチがいて、ゲームを深く理解していれば、もっと上を目指せたと思います。選手としてのキャリアを振り返ると、とても切ない気持ちになりますし、悔しさばかりが残っています。
だからこそ、今の選手たちには同じ思いをしてほしくありません。彼らが最高の結果を残し、最高の契約を勝ち取り、最高のキャリアを築けるように、私はすべてをかけてサポートしていくつもりです。
反応
- DoggoがいるからCFOを好きになった。最初はな。
でも今は、Chawyのおかげでもっと好きになった。
Flash Wolvesよりもいい成績を残してほしい。そっちのほうが面白くなるしね。
- もし次の試合でALにボコボコにされたとしても、今の時点でのCFOのパフォーマンスは、少なくともFlash Wolvesと同等か、それ以上だと思う。
FWは昔から、韓国相手にBo1でポロッと勝つことはあっても、欧米チームにはよく苦戦してたし、ときどきワイルドカードチームにも負けてた。
あとBo5の成績もけっこう微妙で、MSIやWorldsでメジャー地域相手にBo5で2勝以上したことが一度もない。しかもそのBo5の多くは欧米チームとの対戦だった。
中国相手の戦績もひどくて、唯一勝ったのはMSI 2018でのRNGとのBo1だけ。それ以外でLPLチームに勝った記録はマジで一回もないんじゃないかな。
それに比べてCFOは、T1をBo5でフルセットに持ち込んで、EUのチームをBo5でしっかり倒して、First StandでもEU・NA・LPLにBo3で勝ってる。
もうすでに、FWが1年目には絶対に成し遂げられなかったことをいくつもやってるよ。
- Chawyが今うまくやってるの、本当にうれしい。
TSMのヘッドコーチだった頃、みんなに「詐欺師」呼ばわりされてたのを今でも覚えてるよ。- まあ正直なところ、あの年はPeter Zhengとひどい運営陣に足を引っ張られてたからな。
- 今でも信じられないんだけど、PeterがTSMにKnightのリプレイを見せて、それをKeaiduoのプレイだって思い込ませてたって話、結構エグいよね?
- 豆知識だけど、Tabeって昔HKAでChawyのコーチやってたことあるんだよな。
- Armand Luque:Chawy、マジでギガチャドだわ。
元々EUファンだったけど、CFOのことめっちゃ好きになっちゃったわ。
このChawyのインタビュー、正直今までで一番好きかもしれない。
チームの雰囲気とか、HongQがどう成長したかって話を聞けたのが本当に良かった!
インタビュアー殿もギガチャドでござる。
おすすめ関連記事



コメント