
ベトナムを牽引したジャングラー、10年のキャリアに幕
VCSで10度の優勝、MSIとWorldsへの複数回出場、第31回SEA Games金メダル。ベトナムLoLシーンを国際舞台に押し上げてきたLeviが、プロとしての引退を発表した。本人のロングメッセージとともに、象徴的な試合として語り継がれるノクターンやカ=ジックスのプレイ、海外コミュニティの反応を振り返る。
Levi引退メッセージ全文
皆さんこんにちは。Leviです。
本日は大切なお知らせをさせていただきたいと思います。
僕は、正式にプロとしての活動から身を引くことを決めました。今後、LoLの大会には出場しません。
これは急に決めたことではありません。かなり長い時間をかけて、何度も何度も考え抜いた結果です。
僕がLoLを始めたのは2013年。あれから12年以上が経ちました。そのうち10年以上の時間を、プロ選手として過ごしてきました。
その10年間の競技人生の中で、いくつかの成果を残すことができました。VCSでは10度の優勝を果たし、MSIにもWorldsにも何度も出場させてもらいました。そして第31回SEA Gamesでは金メダルを獲得するなど、僕にとって非常に誇りに思える経験をさせてもらいました。
もし10年前、18歳の僕が「10年後、お前はこんな素晴らしい実績を残しているぞ」と言われたとしても、正直言って、当時の僕は信じなかっだろうと思います。
ただ、僕にはずっとやり遂げたかった想いがありました。
それは、VCSが国際大会でもっと先へ進めるように、自分なりの力で貢献することでした。例えば、VCSのチームがWorldsでベスト8以上に進出する姿を見ること。それが、僕の切実な願いでした。ですが今、その目標を達成することなく、競技シーンを去ることになってしまいました。
キャリア全体を振り返ると、後悔も数多くあります。それでも、この10年間は、プロとして成長し続けるために、自分なりに心血を注いだ10年間だったと、胸を張って言うことができます。
そしてチームメイトや、兄弟のような仲間たちが、できる限り高みに到達できるよう、僕も全力でサポートしようと努めてきました。
プロ選手になるということは、言葉にならないほどの大きな犠牲を払うことでもあります。僕達は一日に13~14時間、週に6日間、練習することがほとんどです。つまり、自分自身の時間も、大切な人間関係を育む時間も、ほとんどないのです。
僕の場合、この10年間は家族や両親のそばを離れて、働き続けた10年でもありました。
プロ選手である限り、誰もが当然「勝ちたい」と思います。常に「勝たなければならない」というプレッシャーがのしかかります。どのプロ選手も同じだと思います。そうしたマインドセットなくしては、プロにはなれません。
そして、そのプレッシャーと覚悟に加えて、長時間練習を長い期間続けることで、僕達は常に慢性的なストレスの中に置かれることになります。当然のことながら、それは心身に大きな負担をかけます。
僕の場合は、長年にわたって胃の不調に悩まされてきました。そしてこの一年、右手にも支障をきたしていました。
ですが、これが引退の「主な理由」だとは考えていません。
この動画が公開される頃、僕は誕生日を迎えます。28歳になります。
28歳というのは、「非常に若い」とは言えない年代かもしれませんが、同時に「もう年老いた」というわけでもないと思います。
自分自身の人生により多くの時間を費やしたいのです。両親や家族と過ごす時間をもっと大切にしたいという想いもあります。
そして、私の心の中には「落ち着き」——家庭を持つこと、やがては子どもを持つことについて、真剣に考え始めるようになりました。
もしこのままプロとして競技を続けるなら、そうした人生の営みと両立させることは、極めて難しいだろうと感じています。
だから、自分の「情熱」に、ここで一つの区切りをつけなければならないのだと思うのです。
よく、このような質問をもらいます。
「もしLoLのプロ選手になっていなかったら、今は何をしていたと思いますか?」
正直に言うと、僕にも分かりません。
LoLに出会ったのは、私が人生でも非常に難しい問いに向き合わなければならなかったその時でした。
「大人になったら、自分は何をするのだろうか?」
「自分の未来は、一体どこへ向かうのだろうか?」
LoLは、その問いに対する、僕の答えとなりました。
LoLに出会った瞬間から、僕の青春も、人生も、ほぼすべてがこのゲームと結びついてきたのです。
だからこそ、僕はこのゲームに、心から感謝しています。リーグ・オブ・レジェンドに感謝しています。Riot Gamesに感謝しています。パブリッシャーの皆様にも感謝しています。
そして何よりも、ファンの皆さんにお礼を申し上げたいです。
僕が皆さんにとって最も好きな選手だったとしても、二番目でも、三番目でも、五番目、六番目、あるいは十番目の選手だったとしても、そんなことは関係ありません。
僕は、皆さんからいただいた温かい応援ひとつひとつに、本当に心の底から感謝しています。
あらためて、ここまで僕Leviと共に歩んでくださったすべての皆さんに、特別な感謝の気持ちを、心からお伝えします。
それでは、これからの僕について、少しお話しさせてください。
僕は、これからストリーマーになります。
フルタイムのコンテンツクリエイターになります。
僕は配信が本当に大好きです。プロ選手として競技を続けていた時でさえ、わずかな時間を見つけては配信をして、皆さんと交流することを心がけていました。
性格的には、僕は「場の雰囲気をつくる」ことが好きな人間です。人を笑わせることが好きです。
誰かを笑顔にできて、その人が楽しそうにしているのを見ると、私の心も安らかになります。
ですから、皆さんも僕がよく笑っている姿をご覧になってこられたと思います。チームメイトや友人たちと、よく冗談を言い合ってもいます。
それはすべて、明るく楽しい雰囲気をつくりたいという願いからなのです。
僕のこの性格を考えると、ストリーマー以上に向いている仕事はないと思います。
LoLはプレイし続けますし、観戦も続けます。公式戦もこれからもご一緒させていただきたいです。特にLCPや、その他の大きな国際大会は、ずっと観続けるつもりです。
可能であれば、ウォッチパーティーの申請もさせていただいて、皆さんと一緒に試合を見守りながら、大好きなチームを応援できたらと考えています。
10年間プロとして競技してきた結果、僕は「競争の激しい環境」がとても好きになりました。
ですから、別のゲームに挑戦して、新しい舞台に立つことも考えています。
ひょっとしたら、それはTFTかもしれません。
運が良ければ、またWorldsへと辿り着くかもしれません。
今度はTFTのWorldsかもしれませんけどね。
そればかりは、誰にも分かりません。
いずれにせよ、今は僕の人生の中でも、非常に大切なターニングポイントです。僕は人生の大きな一章に幕を下ろし、そして新しい扉が開こうとしています。
新しい未来が始まるのです。
その未来の中で、今よりもっと幸せになって、もっとたくさん笑顔になれて、そしてこれからも皆さんと一緒にいられることを、心から願っています。
プロのLoL選手としてのLeviは、ここでお別れです。
そしてストリーマーとして、コンテンツクリエイターとしてのLeviの新たな物語が、今まさに始まろうとしています。
反応
- さようなら、俺のGOAT。君のノクターンとカーサスは一生忘れないよ。
- FNC戦で、5分でレベル6になったノクターンはマジで笑った。
- あの試合ほど競技シーンのLoLで笑ったことはなかった。
GAMの連中は、あの退屈な時代に差し込んだ創造性の火花だった。
- Leviのリー・シンもマジで脅威だった。
俺が国際大会で初めて「Leviクソやべえな……」と思ったのも、あのリー・シンだった。
- Leviのカ=ジックスが、MSI 2017でLPLのWEを破壊し尽くしたのを覚えているぜ。
- 「試合開始5分でパラノイア!?!?!」ってフレーズを聞くたびに、クソ鳥肌立つ。
今これ打ってる間にも鳥肌立ってるわ。
- SofMとともにベトナムを世界地図に載せた男。
レジェンドよ、行く先に幸あれ。
- 今日はちょうど彼の28歳の誕生日でもあるし、発表するタイミングとしては悪くなかったんだろうな……。
- この10年間、Leviのキャリアを追いかけられたのは本当に光栄だった。
Leviはこの地域を世界に知らしめた存在だ。ベトナムと聞いて、彼を思い浮かべる人も多いだろう。
数え切れないほどの象徴的な試合とプレイがあった。ノクターン、カ=ジックス、リー・シン。
ワイルドカード地域から出てきた選手の中で、史上最高のプレイヤーだ。
リヴァイ兵長、さようなら。

Source: [GAM] Levi announced his retirement
今後の活躍に期待でござる。
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