【LoL】LECキャスターMedicが語る、実況の極意

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LEC Spring 2021 Week 1

MedicはLECのキャスター。1991年生まれ。英国出身。前職は医師。

基礎

1.序盤の小競り合い

  • 序盤のキルでいい具合に盛り上がれるか?
  • はっきりと、明瞭に。
  • 盛り上がるのはいいが、局面に合っているか?(例:ファーストブラッドは確かに大きいが、それで試合が決まるわけではない)
  • そのキルはいったい何に繋がるのか?(トップがキルされた、ヘラルドに繋がるのか? それともタワープレートか? このキル・ファイトはどう試合を進めるのか?)

2.集団戦

  • はっきりと、明瞭に。
  • 流れを大事に。
  • 自分の型を持つ(始めたばかりならそこまで気にする必要はない。全てを喋るように、早口で実況するのか? 大事な瞬間だけを実況する、冷静なタイプか? 戦いの細部までを見るのか、大局だけを見るのか?)

3.現状報告

  • ゴールド差、CS差、(必要なら)装備によるパワースパイクなどを伝える。
  • 大体5分ごとには確認しておきたいが、ゴールドに大きな動きが起こることもあるだろう。前回の実況から、何が変わったのかを伝えよう。

4.相方との連携や誘導

  • この関係の発展には長い時間が必要だ。
  • 伏線を回収できるか?(例:ドラフト中に「エリスは序盤にガンクする必要がある」と言っていたところ、実際にエリスがガンクを成功させた!/この構成は集団戦重視だと言っていたが、集団戦を起こせていない。なぜ?)
  • ジョークや雑談は最小限に抑え、きっちりとゲームに引き戻す。そういった復帰の役割は実況のものだ。

5.試合の「物語」

  • 試合はファイトの積み重ねだけではない。以前はどちらがどう勝っていて、今はどうなのか、など。
  • 選手にとってはどんな意味合いを持った試合なのか? 注目すべきプレイヤーは誰?
  • この試合の大会での立ち位置は?
  • 私はそれぞれの場面を誇張するよりも、実況を通して「小さな物語」をちりばめることに力を入れている。ゲーム中に選手についてちょっと話すことで、視聴者の中でその選手の存在感が増すのだ。(例:RekklesとBwipoがレーンで戦っていたら「元チームメイト同士の対面、現在はBwipo側が有利ですが……」)

これらが基礎の部分だが、まずはLoL用語を頭に入れていじくり回すのが先だろう。ここは練習あるのみ、としかアドバイスはできない。身体で覚えるしかないのだ。

それに加えて、各試合に目標を持つのが大事である。これは単に「素晴らしい実況をするぞ!」というものではなく、具体的で測れるものでなければならない。私には、集団戦の実況において戦争用語を用いることで、爆発や弾丸の一つ一つを身体で感じて欲しい……という目標がある。実況前に具体的に計画すれば、それで失敗したとしても何か達成した、もしくは助けになった点があればそれでいいのだ。

上級編

集団戦のレイヤー

  • 目標:集団戦においての興奮と、織りなされる物語についてレイヤーを定義し作成する。これによって、局面に応じてレイヤーを明確に変えられるようになるのだ。ここでは集団戦のために、どれほどレイヤーを作れるのか見ていこう。

レイヤー1

  • 画面に映ったままの実況。
  • 場面を描写するために、スキルの名前やその説明を行う。
  • 例:Botでの小競り合い

レイヤー2

  • 「簡単な」形容詞をつける(例:素晴らしい、大ダメージ、とんでもない)
  • ファイトの流れを伝える(例:「○○の逆転」「押し返す、押されている」など)

レイヤー3

  • 事象を表すため、より強い形容詞を用いる(例:まさに1000の太陽を思わせる破壊力、バックラインを溶かしていき、大波の力で敵を一掃する!)
  • ゲーム内の出来事で、選手のストーリーを伝える(例:レーンで落ち込んでいたKobbeですが、とうとう5コア目に到達できましたね)

レイヤ-4

  • 追加の選手情報(例:古巣を前にしたCaps、無事現王者を打ち倒しました)
  • 長く、ゆっくりした重要な局面では一呼吸入れる。

レイヤー5

  • ほんとうにとんでもない場面。ここでは理性を失って、ざっと掃くような実況をしても許される。終わった後にも、ある程度言い換えてその熱を維持しよう。
  • ハイライト……CAPS

集団戦のセットアップを予測する

ファイトについて物語を作る際、それだけを見るのは簡単だ。最初のスキルが放たれたときに始まり、それぞれが退いたときに終わる……だが、この「物語」はもっと長く続いているのだ。早い段階から議論を重ねることで、ファイトのミクロだけでなくその原因、そしてそのファイトが与える影響の大きさを視聴者にわかりやすく伝えることが出来る。
さて、これをどのように構築していけばいいのだろう? 本質的に、視聴者に準備してもらうには3つ要因がある……私はこれを設定、誘導、伝達と称している。

設定

基本的な視聴者はシルバーやゴールド……ゲームの基本や、重要なオブジェクト(バロンやらドラゴンやら)については理解しているレベルだろう。だが、わかりづらいファイトもあるかもしれない。赤バフへのインべードや、(2分前ですら)バロンの視界確保のために起きるファイトはソロキューでは珍しいからだ。

さて、どうすればこれらの重要性を伝えられるだろう? 後から見返すのは簡単だ……「今のファイトがバロンに繋がったので、このチームが勝ちます!」 前もっての分析は難しいものの、視聴者に期待をもたせるのと同時に、試合に興味を持ち続ける理由にもなる。物事の起きるであろうポイントを「設定」し、それが試合全体にどう影響していくかを推定するのだ。そうすれば視聴者は「次に何が起こるのか」を待つことになり、「何も起きない」と疑問に思うことはなくなるだろう。

誘導

さて、これで視聴者は次に何が起きるか……少なくとも、何が起きると我々が思っているかが分かったわけだ。集団戦では本当に多くのことが起きるから、注目していた点を見逃すこともよくあるだろう。ここでは、ファイト前に視聴者の目を「誘導」して、注目すべきポイントを知って貰う必要がある。
では、何が重要なのか? チャンピオンや構成、局面に応じて変わるだろうが、どんなファイトでも共通しているポイントがいくつかある。

  1. クールダウン:サモナースペルやUltは目の付け所だ。チームがエンゲージするのではなく回り込んでいるなんて場合に、ADCのサモスペやUltが理由だなんてこともあるだろう。アイテムのクールダウンも大事だが、これらほどではない。
  2. 重要なスキル:誰がエンゲージ要因なのか? 誰がファイトを変えうるUltを持っているのか? これらのスキルに誘導することで、重要な場面を掴むことができる。
  3. キャリー:試合の鍵となるのは誰か? レートキャリーADCがDPSを出せるか? バースト系メイジがバックラインを狙い撃てるか? 各チーム1、2人だけにスポットを当てて、視聴者の焦点を誘導するのだ。

伝達

最もシンプルだが、最も難しいのがここだ。ファイトの伝達は、これまで組み立ててきた物語を反復することだけで行うことができる。「Perkzに注目」や「試合を決めうるバロンファイト」のように、簡潔なもので済ますべきだ。これまでの情報を全て復唱するのではなく、注目点を視聴者に思い出させるようにするだけでいい。これは実況としてどのようにファイトを見るべきか再確認するものでもあり、そうしなければこれまでの物語は……良くても無駄になり、最悪の場合は視聴者を混乱させることにもなる。

記述

それぞれが戦っている時、何が起きているのか? 拳が振り上げられ、銃弾は放たれ、呪文も飛び交っている。ファンタジーとはいえど根本では戦いであり、小競り合いから集団戦まで、サモナーズリフトは分単位で起きる戦争に耐えているのだ。私の目標であり、「集団戦実況としてのMedic」の特徴はここにある。拳の感覚、呪文の真髄を視聴者に骨の髄まで感じてほしい。

長所 短所
珍しいスタイルで、唯一無二 身につけ、鍛えるのは難しいスタイル
起きていることと視聴者をダイレクトに結び付けられる、類まれな言語感覚 やりすぎる場合がある……変化が必要
とんでもない瞬間を盛り上げられる 失敗したときが大変……「間違った」設定を行ってしまうかも
細かい、精密な供述 「典型的な語彙」と「Medic」との壁を超えるのは難しい
たとえ話としても神クラス その語彙は理解しやすいものか? 戦争や侍について疎い視聴者への、戦争に関する語彙

これを自分で見る想像をしてみて欲しい。初心者よ、上達せよ。
……冗談だよ、このガイドが助けになったなら嬉しい。

 

翻訳元: Medic’s tips on how to be a good League of Legends PBP caster

 

翻訳者: おおきいルル

 

管理忍

トンズオブダメージでござる。

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LoL忍者

コメント

  1. 医師からキャスターに転身ってすごいな

    • もう金は一生分稼ぎきってるんやろうな
      それで、後は好きなことやって過ごそうって感じの人っぽい

      • eyesでも1000万ってことを考えたらイギリスの医師の平均年収とほぼ変わらん程度には貰ってると予想される。

        ってことは、年齢考えれば同期の医師より間違いなく稼いでることになる。

        ただし、LOLがいつ無くなるかは誰にも分からないので復職することになるとデメリットは発生する。実家が病院とかなら話は別。

      • 実際に医師やってたのは1年間だけだし一生分の金を稼ぎきるどころか医学部の学費分すら稼げたかどうかわからんよ

        因みに過去のインタビューで自身のキャリアについて、キャスターを続けることが目標だって言ってるし仮にLoLが終わってもなんらかのゲームでキャスターとして生計を立てていきたいという感じ

  2. 200years‼︎

  3. ざっととしか見てないけど、eyesさんも似てる事(特にストーリーを作る、自分の型を作る等)言ってたし、LoLであっても実況は最終的にはある解にたどり着くのか

  4. こんだけ体系的にまとめる知性あってハンサムとかまじか
    Medicってずっとひょろいメガネの人かと思ってた

  5. やっぱkatsudionがNO.1!ってこと?

    • そゆこと!

    • カツディオン「うわぉ!!なんてこったぁ!!これはビックダメージだ!!何が何だかわからないぞ!!一体全体どうなってるだぁ!?解説のリールさん!!」
      リールベルト「!?」

      18
      • リールベルト「・・・。ヤバイですね。今のはヤバイです!」

        14
        • お前ら面白いなあ

        • カツディオンくん係から早く大天使を開放しろ

        • でもこの2人好きなんだよな

      • しかし!しかし!!しかし!!!

    • カツさんはAIの勝率がいくらなのかとても重要視していていいね
      よく相方のリールさんにAIの勝率予想の予想をさせてたり、AIの勝率予想の解説をさせていたり、とても分かりやすい実況者だと思うよ

  6. カツディオンに爪の垢煎じて飲ませてやりたいな

  7. LJLは実況よりも解説をコーチしてやって欲しい。

  8. 黎明期の基本もなにもない中で常に叫びまくってるのにめちゃめちゃ解りやすい解説実況してたdemonとjoeはすげーなって

  9. eyesはネタで元弁護士と言われるがこの人はガチの医者なのか。世界のエリートは違うわ
    最近髪型変えてズラタンって呼ばれてるのには笑う

  10. こういう記事好き

  11. このおしゃれなイケおじがよ・・・

  12. LJLの実況で睨み合いのポーク合戦でめっちゃ実況するのに、そのあとのオブジェクトに繋がるキルが生まれたときはそんなに盛り上げない感じがあって「?」ってなったわ

  13. レイヤー5•••CHOVY

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