
Caltysが語る「見えない壁」とは?
Bwipoの性差別発言、そしてFakerの女性シーン歓迎発言により、海外コミュニティで「eスポーツにおける女性シーン」に関する議論がふたたび活発化している。女性シーンを代表するADC、Caltysの発言(THE GAMER)と、海外コミュニティの議論を紹介。
Caltysは、G2の女性チーム「G2 Hel」でADCとして3年以上のキャリアを持つ看板選手。現在23歳でベテランの域に達している。
Caltys:League of Legendsを始めたのは2014年。今考えるとちょっと信じられないですね。始めたときは12歳だったと思います。2年ほどプレイした頃に、プロになりたいという気持ちが芽生えました。
しかし、ネットにいるには若すぎました。今振り返ると、オンラインゲームのコミュニティは13歳の女の子にとって良い場所ではなかったと思います。Discordが流行り始めた頃や、SNS上でも、時々ただ単にヘイトを向けられることがありました。それが、これから起こることの雰囲気を物語っていたのかもしれません。
Caltysは、男女混合チームのトライアウトを何度も受けようとしたとのこと。
Caltys:私は発信力はあるので、チームを探しているという投稿はみんな見てくれるけど、実際にトライアウトを受けられる機会は本当にわずかなんです。
女性であることはリスクなのか?
Caltys:ある程度は推測するしかありません。でも、推測するのは好きじゃないんです。人に疑われるような気がするから。でも同時に、実際に『このチームはあなたが女性だから採用しなかった』って直接言われたこともあります。そういうことが起きるのは分かっています。
もしロースターに入りたいと思っていて、1人か2人、もしかしたら選手ですらない誰かが、性別を理由にリスクがあると考えていたら、それだけで却下されるには十分なんです。
よくある話として、「女性がチームにいるとチーム内で恋愛感情に発展し、チームを破壊する恐れがある」という意見がある。
Caltys:そう考える人は実際にいて、実際に口に出す人もいる。間違いなくスタッフが女性を拒否する理由の1つになっています。
Bwipoの件
「女性は生理中にLoLをプレイすべきでない」という発言をして大問題となったBwipoの件が記憶に新しい。
Caltys:最初は混乱しました。皮肉かと思いました。彼が本気だと分かって、とてもがっかりしました。
彼をプロとして尊敬している若い女の子がいたら、きっと傷ついたことでしょう。数年前の私がプロとして彼に憧れていたとしたら、きっと傷ついたでしょう。
Caltys:彼個人の問題というよりも、こういうことがスキャンダルとして定期的に起きるのが問題なんです……競技シーンの中で、女性がどう扱われているか。
私たちが目にするのは氷山の一角にすぎません。舞台裏で何が起きているのか、想像するしかありません。
今回の件に限らず、Bwipoがこういうことを言ったのは初めてではないと思います。
きっとプライベートでも誰かに言っていたはずです。なぜこれまで誰も彼を正さなかったのか、不思議でなりません。
反応
- 確かに、驚くことではない。それでも実際に起きて聞いるとくと胸が痛む。ただ他人に優しく接するだけのこと、そんなに難しいことじゃないのに。
- 昔オンラインゲームで、とんでもないバカな話を聞いたことがある。
「ギルドに女を入れると、男が女に口説きに行って断られたりして、ギルド内でトラブルになるからダメだ」って。だから彼らはレイドギルドに女を入れないんだって。
だから俺は聞いた。「男性が問題を起こすのに、排除されるのは女性なのか?」と。そしたら「年頃のホルモンのせいだからしょうがない」と言い訳してたよ。
- 女性がプロ選手として十分な実力がないのは、生物学的な理由ではない。男性がテストステロンで強くなるスポーツとは違う。実力が足りないのは、そもそもプロ選手になりたくないからであり、なぜなりたくないのかと言えば、女性蔑視的な発言によって競技から締め出されているからだ。そのため、本当に優秀な女性選手の数は圧倒的に少なくなっている。
プロスポーツ界でも同性愛者に関して同様の現象が起きている。NHLでプレーするゲイ選手はほぼいないという、ある同性愛者ホッケー選手のコメントを目にしたことがある。
なぜか?13~16歳の頃にいじめられ、スポーツを諦めさせられるからだ。
LoLの女性プレイヤーにも同様のことが起きている。ソロキューや小規模なトーナメントなどで陰湿ないじめを受け、ゲームを辞めて大学進学や就職といった他の道へ進むよう追い込まれてる。
- 性的志向は隠せても、性別は隠せない。
LoLプロのBiofrostだって、引退後にゲイであることをカミングアウトした。現役中にはやはりお前の指摘した理由と同じで、隠していた。
でも、彼は成功したプロだ。Worldsの出場者だって誰かはゲイかもしれない。でも、彼らはカミングアウトしない。恋愛感情によってチームの雰囲気が悪くなることを恐れている。
しかし、女性は隠すこともできない。よりもっとチャンスがない。
- 正直、トップレベル男性選手と戦える女性が出てくるなんて思えない。このゲームはかなり長く存在しているのに、そんな状況は起きていない。女性専用リーグはあっても、女性の入ったチームや完全女性のチームがTier1と戦う姿は全く想像できない。
- 女性はそもそもTier2のチームのトライアウトを受けることが難しいようだ。Caltysが記事で語っていたことだけどね。誰にとっても難しいのかもしれないが、女性であることが理由だというなら、是正に向けて議論する価値はある。
- Caltysは女性で最も優れたLoLプレイヤーの1人でありながら、過去3年はチャレンジャーに到達しておらず、ピークはグラマスの919LPだ。確かにうまいかもしれないけど、誰が拾うだろうか?
チャレンジャーにもなれないなら、Tier1には入れないよ。
- 女性のチャレンジャーもいることはいるけど、この件について現時点で最も率直に発言しているのはCaltysだな。確かにCaltysが男性だったとしても、拾われることはないだろう。
仮にチームがあったとしても、それは女性だからということに特別な価値を見出しているだけで、俺たちの望む姿ではない。
大事なのは、性別のせいでプロとしての将来性に影響があっちゃならないってことだ。
- 女性のチャレンジャーもいることはいるけど、この件について現時点で最も率直に発言しているのはCaltysだな。確かにCaltysが男性だったとしても、拾われることはないだろう。
- CaltysのXはマジで面白いからフォローしといた方がいいよ。
一部のファンによる強い批判意見
- でも朗報もあるよ。Bwipoは10年に一度レベルでひどいWorldsをして、世界の舞台で恥をかいた。近くからも遠くからもブーイングを浴びながら。彼はミスクリックやプレイミスを連発して、実況者ですら信じられないほどだった。
ほぼ一人でチームを敗退に追いやり、ジャングラーとサポートは彼の酷いプレイに打ちのめされてチームを離脱。結果として、チーム全体が屈辱と失敗の中で事実上解散した。
この性差別的で有害な愚か者は、Worldsの公式映像からも削除された。LoL選手にとって最高級の栄誉のひとつとも言える映像から、彼は消された。
何もかもに対して、「大人として振る舞うこと」を拒んだからだ。FlyQuestが腰抜けだったせいで、こんな不快な人物と向き合わなければならないのは残念だけど、ある意味伝説的なヘイトウォッチを楽しめたとも言える。
そして、栄誉や報酬が彼から奪われたことに、少しは慰めを感じられる。GG!
- 過去10年でトップ10に入るくらいヤバいコメントだな。
- 大人になるにつれて気づいたのは、Redditの誰もが、俺も含めて、ある種の哀れな負け犬だってこと。
女性シーンをけん引する存在となったCaltys。はっきりとした率直な発言は、コミュニティの議論を活発化させている。読者諸賢の感想もぜひお聞かせ願いたい。
担当:いちずなイブリン
真の均衡を探し求めるでござる。
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コメント
女性シーンってこのサイト管理人が作った造語?Fakerの言葉の解釈間違ってない?
将棋で例えると「女性が女流棋士になるのは歓迎です」って言ってるみたいな書き方だね。