以下、snowballesportsより部分訳。
Richは、新進気鋭のLCKチーム、Team Dynamics(以下DYN)の顔になる前は、Brizzard社のMOBA、ヒーローズ・オブ・ザ・ストーム(以下HOTS)のスタープレイヤーだった。その圧倒的なプレイぶりから、Richは「HOTSのFaker」と呼ばれていた。今Richは、LCKでそのFakerと対戦する最初の機会を得ようとしている。
Richは、今誰に聞いても、格好つけないトップレーナーという評価を得るだろう。彼はこの夏にLCKに昇格したDYNの顔的存在ではあるが、LoLにおいては、まだ活動を始めたばかりの新人プレイヤーだ。
しかし、Richのストーリーはとても深い。それは、あらゆるスタープレイヤーが大ブレイクするたびに語られる「これまでの旅路」のようなストーリーとは少々異なる。
Richは、既に甘い成功を味わってきた。サモナーズカップを持ち上げた経験があったということではない。Richは、HOTSで最長の、そして最終的にはゲームそのものを支配した、王朝に君臨した王だったのだ。
Richは2015年にHOTSでeスポーツのキャリアをスタートさせた。そして、oreomanというプレイヤー名で、韓国のHOTSシーンを席巻しはじめた。
Richは、Zeratul、Illidian、Hanzoなどのヒーロー(LoLでいうチャンピオン。ちなみに挙げられている3体は、すべてアサシンタイプ)を高いメカニクスで操り、ランクで1位になった。Richは、1度もそこから転落することなく、4年間の名誉あるキャリアの中で、常にトップだった。
これは、Fakerですら成し遂げられなかったことだ。ちなみに、Richのふざけた態度は、しばしばFakerと比較されていた。
HOTSのようなMOBAでは、集団戦がすべてだ。だが、Richは1対多の戦闘や暗殺を、他のどんなプレイヤーよりも素早く完遂した。Richただ1人を、皆が恐れた。Richがマップ上にいる時は、敵の誰もが脅威にさらされていることを意味した。
Snake eSportsのロスターに名前を連ねると、Richはすぐに頭角を表し、負け無しでシーズン1のゴールドシリーズヒーローリーグを獲得した。このキャリープレイヤーは地域トーナメントにおける最大の脅威であり、2015年のワールドサイバーアリーナ(複数のeスポーツタイトルによる世界大会)で3位を獲得するなど、早くも世界的な称賛を獲得し始めた。ちなみに、3位ですら、RichにとってはHOTS最悪の年であった。
次の3年間で、RichはHOTSのトッププレイヤーの地位を確固たるものにして、誉れ高き「HOTSのFaker」の称号を手に入れた。Richは、デビューからわずか12ヶ月後の2016年には、韓国のHOTSプロチームMVP Blackで、初のヒーローズグローバルチャンピオンシップ(HGC、Blizzard主催の世界大会)で優勝を果たした。
(訳)さぁみんな繰り返そう。RichはOP!すごいプレーだ!
連勝に連勝を重ねるRichであったが、事態は一変する。BrizzardがもうHGCを開催しないと告げたのだ。「急に目の前が真っ暗になった感じでした。チームメイトに連絡をとろうとしたけど、みんな寝ていました。僕はみんなが目覚めるまで、たったひとりで心配しつづけました」とRichは語った。
「HOTSのFaker」には新しい戦場が必要だった。彼はHOTSを捨て、リーグ・オブ・レジェンドに戦いの場を求めた。
といっても、RichはLoLをプレイしたことが無かったわけではない。シーズン4ではチャレンジャーだったし、HOTSの休憩としてたびたびLoLをプレイしており、ダイヤモンドを維持していた。
しかし、Richは2014年以来初めてゲームを真剣に受け止めることを決意した。Richは数週間でチャレンジャーに返り咲き、最後のHGC優勝を獲得したときに所属していたチームであるGen.Gは、Richをアカデミーチームに採用した。Richは2019年のLCKサマースプリットにおいて、LoLパークで5ゲームをプレイする機会を獲得した。
Gen.Gでの時間は、Richの競争心に再び火を着けた。だが、Richはバスの乗客ではなく、リーダーになりたかった。Richは、2020年にCK(韓国2部リーグ)のDYNに参加し、LCKへの昇格に挑戦した。
「僕は積極的にオーダーを出し、チームを統率するのが好きなんです。DYN以外では、それを行うのは難しいと思います。誰もが僕のオーダーに従ってくれます。それだけでなく、計画どおりに戦うことができれば、僕たちが勝つことを確信しています」
DYNは、2020年春にHLEに敗れて昇格に失敗した。だが、その運命はRichと共に好転した。再びCKのトップとなり、フランチャイズ前のLCKにもう一度挑戦した。そしてDYNは、SANDBOX GamingとSeorabeol Gamingに勝ち、LCKへの昇格を果たした。
それはRichにとって大きな転機となった。RichのLoLへの転向という決断が報われた瞬間だった。HOTSの競技シーンが失われた今、Richはデベロッパーに見捨てられた天才というまま消えていくか、その才能を他のゲームでも見せつけるかの二択を迫られていた。そしてRichは正しい決断をした。
「今回LCKに昇格できなかったら、LoLのプロとしてのキャリアは壁にぶつかるだろうと思っていました。だから、LCKに昇格できて、信じられないほど嬉しかったです」
Richは、HOTSをプレイしていたときほどの支配力は発揮できていないが、それは驚くべきことではない。DYNはこの夏、比較的いいスタートを切った後、現在3勝4敗の記録となっている(2020年7月12日時点)。
Richは4票のPOG(プレイヤー・オブ・ゲームズ)投票を獲得したものの、韓国トップクラスのKiinとDoranに搾取されている。RichはまだNuguriとは対戦していない(2020年7月12日時点)。Richはエイトロックスでは知られているものの、さらに準備が必要だろう。
「Richは一部のチャンピオンで見栄えがするが、LCKの最高のトップレーナーと戦うためには、チャンピオンプールを拡げる必要がある」と、LCKキャスターのAtlusはsnowballesportsに語った。
RichはLoLに転向して以来、「HOTSのFaker」という称号とは距離を置いている。「LoLで最高のプレイヤーと比較されるのはとても光栄なことですが…僕たちは自分たち自身のやり方でキャリアを築いてきたので、できればファンの皆さんには、Fakerと僕の比較を控えていただければと思います。僕はLoLのRichに過ぎません。ファンの皆さんが同じように考えてくれればありがたいです」
とはいうものの、「HOTSのFaker」のストーリーは、eスポーツにおいては驚くべきおとぎ話の1つと言えるだろう。それぞれのタイトルで神の称号を手にした者同士が、ファンの空想の中だけでなく実際に戦うのだから。
Renekton never knew what was coming
"Cut cut cut!" @RichHots's Lucian cuts off Renekton on a 1v1, @TeamDynamicsLoL determined to take the series to game three #LCK pic.twitter.com/Xh70bljB6g
— Ashley Kang 애슐리강 (@AshleyKang) July 4, 2020
(訳)レネクトンは何が起こるか分からなかった。Richのルシアンがレネクトンを1対1で倒した。DYNがゲーム3を制した。
LoLを3度制した男と、HOTSを3度制した男の対戦。それぞれのタイトルで、最も崇拝され、最も恐れられた男が相まみえる。Richの勝算はまだ薄いかも知れないが、それでも刺激的な夢だ。
とは言うものの、RichがFakerとレーンで対面することはない。Richはトップレーナーだ。Fakerと対面するのはKuzanの役割だ。
それでも、T1との対戦はRichにとって試練となるだろう。Cannaは2020年夏のT1のサプライズスターだ。Cannaの爆発的なレーン戦のスタイルはNuguriに似ていて、対面をアウトプレイすることに重点を置いている。
しかし、ここでRichがHOTSでどのようにして圧倒的結果を残してきたのかを再び思い出しておきたい。Richは、個々人のパフォーマンスがそれほど目立たないゲームデザインにおいてなお、傑出した個人技でチームを率いてきたのだ。
それでも、DYNの行く道は、圧倒的な急勾配であると言わざるを得ない。「DYNがT1に大打撃を与えるとは思いにくい。DYNは弱いチームと対戦してソフトスタートを切ったが、SANDBOX Gamingに負けた後、6〜8位に収まることが明らかになりつつある」とAtlusは語った。
惜しい試合をすれば、物語に新たな章が加わるかもしれない。だが、究極を言うと、結果は決定的要因ではないのかも知れない。クライマックスは既に達成されたとも言える。
Richは、eスポーツの世界ではほとんど前例のないことをやってのけた。それだけでなく、何年もの間比較され続けたプレイヤーと対戦する機会を得た。Richはもっと強くなることに飢えており、かつてHOTSで到達した高みに、LoLでも到達する可能性を秘めている。Fakerを倒すことは、その旅のほんの1ステップに過ぎないのだろう。
「僕はまだLCKに来たばかりですが、目標は遥か高いところにあります。Worldsだけでなく、すべてを勝ち取るために全力を尽くします。ファンの皆さんが、LoLプロゲーマーのRichを応援し続けてくださることを願っています」
お金持ちそうでござる。
コメント
写真映えするチームだな
応援したくなった
S4の頃ってプロもガチでランク回してたからチャレってのはすごいな
『異世界で3回優勝した俺が別の異世界で三回優勝した男とバトル!?』
熱いプレイヤーだなぁ
好きだ
管理忍のジョークで記事の内容吹っ飛ぶところだった
戦場を失った王者が新しい戦場で再び王者になろうとしてるのはカッコイイな
HOTSとかいう悪夢
流れにのって作ったはいいものの流行らせる気も流行る気も一切せず
ゆるやかに死を迎えた
なおDYNはT1に勝った模様
エイトロめっちゃうまい
HOTSって誰もやってない謎のゲームじゃん
春のAPKといい入りたてのチームは結構頑張るね
SPになってからあんま勝ててないけど…
アサシン得意ならmidやればいいのに
>>12
Gen.G時代はMIDやってたよ、アサシンもキヤナとか使ってた
エイトロレネクみたいな当時TOP MIDフレックスでメタだったチャンプ得意だからなのか移籍後のチーム事情からなのかTOP転向した
誠実にプロを目指してる感じがして好感持てる
日本プレイヤーにこれほどのモチベーションを持ってる奴いるのか?
LJLで活躍してLCKに行くんだ!みたいな
>>14
本筋からずれたとこ指摘するようで悪いけど、LCKは韓国人以外は所属できないでしょ。
外国人入れるメリットがない
プロだな…
MOBAのセンスあるやつってまじでとんでもないやつおる。知り合いのスマホモバで世界1位だった韓国人もLoLいって3ヶ月でKRダイアだった
MOBAのセンスって面白いよなあ。センスと言っても最初からとんでもない才能がある奴もいればちょっとテコ入れすれば一癖も二癖もある才能爆発するやついたり多様性が尽きないのはほんと面白い
Rich選手はt1の試合でtopCanna選手を圧倒しいて、仕事をさせなかった。一様세제탑(世界一のトップ韓国では)近いと言われているCanna選手はソロキル王でレーンの立ち回りがうまく、評価制度も高い。2017年kiin選手がAF活躍したぶりにHOT。Rich選手がワールドチャンピオンで優勝を狙うなら、
Damwonに入るしかないかな。
drxhはPyosikはまだ成長過程でDeftは今年一杯やろし、GengやT1も同じ理由でadcの高齢化が進行しているので。
15>>soundboxはYamamotocannonヘッドコーチが入ってから5連敗から4連勝してますし。これからは、フィジカルが高くて、韓国語を覚える気概があれば積極的に入団?(チームに入れる)と思いますよ。
FPSと違って色んなMOBAやる人って少ないから面白いね
前にもDOTA2のチャレがLOLに殴り込みの記事をここで見たことがあるけどそれのプロ版か
hotsもやってたけどrichは本当に凄かったんだよ
集団戦で全てが決まるメカニクスが命のゲームで誰よりもメカニクスに優れてた
lolはそこにチームのマクロが求められるから絶対的になるのは大変だね
リッチってそっちか、死者の王というか骸骨の王様的なイメージで読んでた
それはLichだね HotSにはWoW出身の「リッチキング」ってキャラが居るけど、彼はアンデッドを従える死者の王だよ
異世界fakerって言われてるのはこれが元ネタだったか
詳しく知らなかったからありがたいし面白い話だった
Richすごく上手いしDYNってチーム自体が面白い試合をするチームで可能性感じるから応援してるよ
今世界最強のtopはkhanは調子落としてるからtheshyぶっ壊した369かな
どこまで迫れるのか
サッカー漫画の別競技出身のキーパーみたい
TOPなのはレーンでの筋力が活かしやすいのかな
人気ゲームじゃなかったとはいえ、何かを極められるやつはスゴいから応援してる
あと、異世界フェイカーっていうあだ名シンプルだけど好き
この人はリーグの順位予想していてもとりあえずRichがいるチームが優勝でしょってなるぐらいにはチームへの影響力がある選手だったよ
まさに優勝請負人だった
Topとか知識でどうにでもなるしメカニクス自身あるならミッドやれや
※14
Richを借りてLJLを叩くクズの図。
「LCKを目指す=意識高い」ってのもズレてるし、凡人は素直にRichだけ称賛しとけ。
Richに対抗してLich出てきて頂上決戦しねえかなぁ