Photo: Team Heretics / LEC
日本人初のヨーロッパリーグプロ選手として前人未到の戦いに挑み、まさかのソロキルを連発して世界中を驚かせたEvi。ウィンタースプリットを終えたEviは、今何を思うのか。LoL忍者によるロングインタビュー。
ヨーロッパで印象に残ったトップレーナーは?
LoL忍者:ハローEvi選手!ウィンタースプリットお疲れさまでした。
Evi:ハローロルニンジャ! ありがとうございます。視聴が困難な時間帯にも関わらず日本の皆さんが応援してくれて、本当に心強かったです! 成績はふるいませんでしたけどね……トホホ……(涙)
LoL忍者:Evi選手のソロキル連発には大興奮しました。もちろん、ソロキルすればいい結果が出るとは限らないですが、それでも十分LECで通用しているEvi選手の姿はカッコよかったです!
Evi:本当ですか? いやぁ〜嬉しいですね! 僕自身も、トップレーナーとしてはヨーロッパでも十分通用しているという手応えを感じています。
Evi feels confident 👍🏻 pic.twitter.com/G5ytQATGax
— Team Heretics (@TeamHeretics) February 11, 2023
LoL忍者:バリバリに通用していると思いますよ! ヨーロッパ出身のトップレーナーで、特に印象に残った選手は誰でしょうか。
Evi:そうですね、Adam選手とBrokenBlade選手ですね。
Adam選手はチャンピオンの理解度が高いですね。KRサーバーでも余裕でチャレンジャーに行けると思いますよ。
BrokenBlade選手は基礎技術が高いですね。細かいムーブひとつひとつのクォリティが優れていると感じます。
言うなれば、Adam選手は両手剣を持った攻撃力に全振りしたタイプ。BrokenBlade選手は、剣と盾を両手にしっかり持ったバランスタイプだと思います。2人とも素晴らしい選手ですよ。
LoL忍者:そんなヨーロッパで有名な2人のトップレーナーをソロキルしたのは凄すぎますね。
Evi:うーん、でも、チームの勝利につながっていないですからね……。個人で勝ってもチームを勝たせられないなら意味がありませんからね。
Team Hereticsの課題の真実とは?
LoL忍者:確かにそうかもしれませんね。
ただ、いち視聴者としての私の感想は、Evi選手がせっかく頑張っても、他の選手が主にマクロ面でミスをしてしまい、アドバンテージを手放してしまっている印象があります。
Evi:まず、マクロ面のミスはチーム全体としてのミスです。決して個別の選手に帰することはできないと考えています。
それに、Team Hereticsは5人全員が異なるチームの出身ですので、それぞれが無意識に持っている常識やマクロ観が本当に異なります。ですから適応するために時間がかかるのは当然なのかなと思っています。
こうした違いは、チームゲームにおいてあらゆる面で影響するのです。
話を分かりやすくするために例を挙げましょう。
例えばチーム構成。
APトップ、APミッド、メイジサポートによる3AP構成があったとします。これは僕個人としては状況次第で全然アリな選択だと考えています。でも、選手やチームによっては「いかなる状況でも3APはあり得ない」というのが常識だったりします。
もうひとつ例を挙げるなら、バロン獲得後のレーンプッシュ。
これも、1-3-1で3レーンプッシュがベストだと考えるチームもあれば、リスク管理の観点から、1-4での2レーンプッシュが円いと考えるチームもあります。
このように、それぞれが常識だと考えていることはそれぞれ異なります。無意識の常識となっている決まり事を言語化し、丁寧にすり合わせていかなければ、チームとしての完成度は高まらないのです。
こうした課題を一気に解決する魔法のような方法はありません。
ひとつひとつ課題を直視して、地道に解決していくほかないと思います。
We continue to give it our all in both #LEC and Superliga 🫡
PASSION | Episode 4
— Team Heretics (@TeamHeretics) February 16, 2023
LoL忍者:インゲームでのコールはどうでしょうか。言語の問題があって、コールがうまくいかず、マクロが乱れるようなことは起きていないのでしょうか。
Evi:実を言うと、インゲームのコールに言語の壁はあまり関係ないのです。
そもそも、ゲーム中に自分の意図をすべて詳細に言葉で説明する余裕はありません。
チームとしてスピーディーに思考するために、基本的にはピンと大まかな意図を伝えるのみです。
これは日本語であってもそうです。
ですから、英語が堪能かどうかの影響は実は少ないのです。
それでも、インゲームでのコミュニケーションミスは頻発します。
というのも、言語の壁が問題になるのは、ゲーム外でのフィードバックやディスカッションのときだからです。
先程申し上げたチームとしての常識、ルールはゲーム外でのフィードバックやディスカッションのときにすり合わせます。そのときに言語を使って意思疎通をするわけですが、言語の壁の問題で、微妙なニュアンスが伝わらなかったりして、そこが大変です。
そういったことが、チームの常識やルール共有の阻害要因となって、インゲームでのコミュニケーションミスや、マクロ面のミスとして表れてくるのです。
LoL忍者:そうだったんですね。以前のインタビューで、Evi選手が「インゲームのコールはあまり心配していない」と仰っていたのは、そういうことだったんですね。
それにしても、インゲームの前に既にミスの要因が生まれているとは、なんとも手ごわいですね。
Evi:そうですね。ここがLoLの奥深く面白いところでもあり、非常に難しいところでもあります。LoLに触れたことのある方ならきっと共感していただけると思いますが、同じ状況は二度と起こらないと言っていいほど複雑なゲームですからね。
チームを勝たせるトップレーナーになるために必要なこと
LoL忍者:そんな状況の中、Evi選手がトップレーナーとしてさらなる進化を遂げるために現在必要なことは、どんなことだと考えていますか。
Evi:技術面もあるかもしれませんが、それよりも、自分のパフォーマンスをチームにフィットさせることが今は必要だと考えています。
例えば、インゲームで他のチームメイトのコールが少なければどんどんコールする。または、コールが少ない選手に「もっとコールしよう」と要請する。逆に、他の4人がどんどんコールするなら、僕は口数を少なくしたり、コールのまとめ役に回る。
このようにして、自分の存在をチームに最適化することが大事だと考えています。
LoL忍者:取り組むべき課題がたくさんあって、ハードですね。
Evi:でも最高に楽しいです! 新しい環境、新しい挑戦。毎日が本当に充実しています。あらゆることが難しいからこそ夢中になれるんですよ。本当にハッピーですね。
LoL忍者:Evi選手らしいなと感じますが、ストレスはありませんか。
Evi:うーん、特にないと思いますよ。
でも、SKに負けたときは精神的にかなり辛かったですね。勝ってPeterさんに恩返しがしたかった。LECという、僕にとって最高の挑戦の場に連れてきてくれたのはPeterさんですから。Peterさんに勝利をプレゼントできなかったのは悔しかったですね。
SeeElコーチはガチでブチ切れているのか
LoL忍者:PeterコーチはEvi選手にとって大きな存在なんですね。
ところで、コーチと言えば、戦略コーチのSeeElコーチが試合終了後にすごい形相で選手にフィードバックしにいくことが日本で話題になっています。あれは本当に怒っているのでしょうか。
Evi:うーん、どうなんでしょう(笑) 本当に怒っているかもしれませんね(笑) 分かりませんけれど。
SeeElさんは非常に熱心なコーチで、しっかり指導してくれますね。あと、非常に柔軟です。コーチと言う立場なのに、自分の間違いをすぐに認めて、意見を修正できるのは本当にすごいと思いますよ!
LoL忍者:いいコーチに恵まれましたね。
Evi:コーチもチームメイトも最高ですね。ことあるごとに、みんなに「I love my team!」と伝えています!
課題が明確になった今、春に向けて進化する
LoL忍者:コミュ力お化けのEvi選手らしいですね!さて、今日はオフにも関わらず貴重なお時間をありがとうございました。仕事熱心なEvi選手のおかげで、Evi選手のことを日本のファンにお伝えすることができます。
Evi:いえいえ、こちらこそありがとうございます! 仕事と思っていないので全然平気です(笑)
もっと普段の日常生活を日本の皆さんに知ってもらいたいと思っているんですけどね。ひょっとしたら、LoL忍者さんに協力をお願いするかもしれません。アイデアが固まったら相談しますね!
LoL忍者:いつでも仰ってください。最後に、日本のファンの皆さんにメッセージをお願いいたします。
Evi:視聴が難しい時間帯にも関わらず、いつも応援してくれて本当にありがとうございます。皆さんの応援は本当に励みになります!
ウィンターの成績は僕たち自身も納得していませんし、皆さんも満足できる内容ではなかったと思います。
ただし、春に向けての課題がはっきりとした解像度で見えてきたことは良いことだと思います。
課題を解決し、改善して、春にはもっと良いパフォーマンスをお見せできるようチーム一丸となって取り組んでいきます!
ぜひ期待してください!
今後も応援宜しくお願いいたします!
嬉しい寝不足でござる。
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コメント
応援してるぜ!
ぶん投げるような試合内容にはフラストレーションたまることもあるけど、頑張って欲しい
Evi WIN !
THの試合をリアルタイムで見たおかげで翌日から3日ぐらいは体調悪いし
やっと体調戻ってきたらまたTHの試合見て体調崩すサイクルだった
健康になったけど寂しいよ
次シーズンはもっと俺を体調悪くさせてくれ
Evi選手が、ドクター・ムンドをピックすれば解決するかもでござる。
病院のベッドで一緒に決勝見ような
次は3月か
見てる側としては嬉しいが、選手は大変だなー
体調にも気を付けて頑張ってください
応援してます
もっと突っ込んだ質問して欲しかった
LECはすぐに次のスプリットも始まるしマジで応援してるぞ
実力は証明したと思う
次は結果を見せてくれ
記事では触れてないけどマクロ面はまだしも、ほか選手のハンドスキルが明らかに足り無いのはどうするんだろう
今の環境でアジール使えないのかなりまずいぞ
実はアジールが一番使用数多いんだよね
流石に今回ずっと不調だっただけだと思いたいけど…
誤解を恐れず言うならずっと不調なら不調ではなく実力として捉えるしかないと思うんだよね
プロなんだから結果が出せないならそれを実力として評価する以外はオカルトや願望だよ
勿論チームの采配や戦術的に力が出し切れないというケースもあると思うけど、現状レーン戦段階で別に特筆して良くはないしな
ずっと不調ならそれが実力
真の視界を獲得
BOT二人は輝く瞬間もあったけどRubyは…
得意チャンピオンでアレはちょっと
Rubyはほんとはもっと上手い可能性もあると思ってる
当たり前だけどしっかりEUチャレだし、ミクロが悪い訳じゃなさそうなんだよな。
試合中しっかりしないとって思いすぎてtiltしてそう
まぁ願望も入ってるけど笑
アジールよりオリアナやシンドラ使ってた時の方がパフォーマンス良く見えたから、インタビューにあった無意識の前提があった可能性もありそう……という願望
KR1位経験者ではあるらしいけど
なんなんだろうな
ソロQなんて数ある指標の一つでしか無いってだけよ
Vlog みたいなのしてくれたら面白そうだなー
全試合リアルタイムで見てたけど全選手ミクロに関しては十分あるし、SK戦は2試合とも序盤勝ってたから中盤以降のマクロさえ改善すればもっと上に行ける。世界戦で見られる日を楽しみにしてる
冒頭のソロキル動画の”Evi welcome to the LEC my friend! That was beautiful…”で、ウルっときてしまった。
次節での活躍も応援してます!
eviが楽しんでるなら何より嬉しいよ
次シーズンも期待して待ってます
真の視界を獲得
チームが負けてればそりゃそうなるわ
そもそも使ってるのタンクが多いし
ライン戦段階から負けてるしタンク(カサンテ)しか使えないだけじゃん、レネクトンとか普通に下手だったし。
うるせえな人のスタッツに文句言う前に
自分の人生のスタッツどうにかしろや
Eviiiiiiiiiiiiii!!!!!!!!
うーん、スター選手のお手本のような立ち振る舞いでござる。
日本コミュニティがLECのために時間調整してるのほんとすごいことだよ
Eviが撮った素材を日本のどこかにぶん投げて、日本で翻訳、字幕込みの編集されたVlog動画あったら金払っても観るでござるよ
壊れのカサンテをきちんと壊れてるレベルで使いこなせた
プール狭いと言われてたけどまずは一つ見返したね
チームとしても開幕前の底辺予想を覆してのBO3進出だし思った以上に戦えてはいるんだよね
昇格初年度のファーストスプリットでこの出来なら十二分に今後に期待できる
問題点もはっきりしてたしね
奮わなかったと言ってるけど個人的にはBO3まで行っただけで大満足
Eviやチームの感触としてはもっともっといけたんだろうな
今度Evi選手のEUでの生活を密着取材みたいにして貰えると、見てみたいな
コールについてはなるほどなあと思った
そもそものゲームに関しての認識の差があるから瞬時のコールで食い違うのか
ツイッターとか配信見てるとジャックとヤンコスとは仲がよさそうで安心でござる
えびが楽しくやれてるなら何でもいいよ
Eviの言う通りで全員別チーム出身となるとコールが滅茶苦茶なのも納得できるなぁ
こればっかりは1年通して見てみないとまだ断言できないか
それとは別にrubyがちょっといいとこ無しなのが残念だったけどね
冗談抜きでeviの元チームメイトのyaharong連れてきた方がいいと思うレベル
eviが不用意に捕まって倒されてるのはコミュニケーションエラーではなくただのザリガニだったってことか
eyesさんもEviの悪い癖って言ってた
今topにタゲbanしにくい環境でカサンテbanさせてるのは、かなり存在感放ってるよ
配信もファンサも良くしてくれるし、日本サーバーの環境上げるためにえびんもtvもやってくれるし本当に応援してる。
えびさんのおかげでlec観る楽しみ出来たし、結果出て欲しいぜ。gigachadevi
一部の日本人の生活習慣を変えた男
Eviを観るためだけにUGの配信だけでも深夜から早朝にかけて多くて5000人近く観てたの普通に凄すぎるわな
日本人がメジャーリージョンに挑戦するなんて昔から観戦してきた人達からしたら信じられないことだからね
想像してたより遥かに暴れてるし
全くその通りだと思う!
日本人が海外選手枠でチーム入りできるなんて夢のまた夢だったからとても嬉しい
春は悪いと思ってた選手が夏から良くなる、なんてことはいくらでもある
新しいチームだし決めつけるのは早計
いつかのアクシズも春はボロボロだったけど夏は劇的に見違えたシーズンあったからね
3シーズン中の1シーズン目だしチームとして出来上がるのもこれから
あれはホグレットの力が大きいんじゃないか
アクシズの選手達はインタビューでも事あるごとにホグレットの名前挙げてたし
チームのリーダーというか柱になる人がいるとチームも纏まりやすい
THだとjankosがその役目を担ってるのかな ベテランだし英語も出来るしね
英語が出来ればEviもその役目を担えると思う
いいインタビュー記事だな
もっとエビを応援したくなったわw
LJLだとお気に入りの選手とか応援したいチームが対戦してる事あるから複雑になるけどLECは心置きなくEviとTHを応援できるから観てて楽しい
この間今は単身赴任みたいな形って言ってたから家族と一緒に過ごす時間増えて色んな面充実してほしい、心から応援してる
真の視界を獲得
ふふw
新しいチームに所属して、慣れない土地で、慣れない言語で、お金貰って、大衆の目前で
>LoLに誠実に取り組んでいるプレイヤーの1人
現役プロ・・・ってコト!?
返信したやつに全員バッドつけてるようなメンタルのやつがプロ語るなよ
真の視界を獲得
Eviさんの挑戦を楽しんでいく姿勢ホント素晴らしい
来シーズンのEviそしてTHの進化に期待してます!
ただの応援コメントとかにマイナスつけてる人大丈夫か?
どうしたんだよ
押してる姿想像すると普通に心配になるわ
真の視界を獲得
エビは今以上に上手くならないと、来年はLJL戻りだろうな
なんでこれにマイナス付いてんの?w
レナータのULTでも食らってんだろ
関係ないけど、丸い(安定択の意)ってTCG用語だと思ってた
将棋とかでも聞く気がします
EUが3シーズン制で良かったと思う
良くなってくことを期待してる
チームマクロさえ統一されてれば全然勝ち拾えたのにっていう試合沢山あったしそういう意味では伸び代めっちゃあるよね
もちろん他の課題も山積みだけど、それでも勝てるチームではある
春シーズンも応援しとるで
真の視界を獲得
エビは良くてチームが弱いのは事実だからね
試合見てればわかるだろう
たしかに主語がでかい印象があったので、「いち視聴者としての私の感想は〜」に修正したでござる。これなら個人の感想になるので、「こいつだけがこう思ってるんだな」になると思うでござる。ニンニン。
あざます。
プールの狭さや若い才能の枠をとって出てきているわけでもあるので批評の目を持つことも界隈を育てるのには必要だと思います
>>でも最高に楽しいです! 新しい環境、新しい挑戦。毎日が本当に充実しています。あらゆることが難しいからこそ夢中になれるんですよ。本当にハッピーですね。
真の意味でチャレンジャーだ
LECという新天地に行かれて本当によかった
NA時代から夢見ていた「日本出身の海外リーグで活躍する選手」が現れて、しかもEviさんなことが二重で嬉しいでござる。
どんな時間でもこれからも応援し続けるでござるよ
ファイティーン
抽象度が高めのインタビューでござるな
もう少し具体的にあのシーンはどうでしたか?みたいな
ゲーム内の特定のプレーに対する質問とevi選手の回答を読みたいと思った
次のインタビューではそういうのもお願いしたいでござる
GIGACHAD