はじめに
皆さんはじめまして。Yunikaと申します。Twitter
LoLのプロ選手としてLJL 2020 Summer SplitとLJL 2022 Spring Split、Summer Splitに出場させていただきました。現在は2022年に所属させていただいたV3 Esportsから脱退し、無所属となっております。
僕がLJLに出させていただいた頃は、自分よりプロ経験が豊富な方や、KRサーバーでのランクが自分より1つや2つ上の方と戦っていたので、実力の差を埋めるべく必死にあがいていました。
最近は、プロ活動で得た知識をみなさんと共有したいと思い、NoteやYouTubeで活動しております。
今回、LoL忍者さんに記事を書かせていただきたいと提案したところ、「世界中でYunikaさんにしか書けない記事なら価値があると思う」と仰っていただきました。そこで、僕がLJLで戦ってきた対面ジャングラーの方たちの強さについての記事を書かせていただこうと思い至りました。
僕は2022年のLJLで最下位でしたし、対戦させていただいたジャングラーの方たちを全員リスペクトしていますので、ランキングを付けるなんて大変おこがましい行為だと思っています。ですが、LoL忍者さんに「書くならランキング形式にして欲しい」とお願いされたので、なんとか頑張って書いてみました。
※文章自体はLoL忍者さんに手直しをお願いしました。
それでは、宜しくお願いいたします!
7位 hachamecha選手
チーム戦略の基盤となる縁の下の力持ち
ボットデュオにセーフティにレーン戦をしてもらうというチーム戦略に沿ったルート取りをしながら、なおかつジャングルでの差もつかないように立ち回っていた印象です。僕がCGAに所属していた頃に、実力不足でやりたくてもできなかったスタイルを体現していて凄いと感じていました。
チーム全体を支える動きが多く、ひとりで試合を壊すというよりはカバーを重視し、有利な場所でアクションを起こすのが速かった印象です。有利を作られた時に自陣ジャングルに入られ、とても辛かった記憶があります。
hachamechaさんが形成有利と見るやこちらのジャングルに入って来て、ボットのファーストタワーを取るシーンです。
V3がドラゴン獲得にターンを使用したことに対するhachamechaさんのカウンタープレイです。一度こちらの赤バフに侵入し赤バフを狩るのを遅らせて、ミッドに青バフを渡しつつ、ボットがファイトし始めた直後に流れるようにボットに走っています。スカーナーという足の速いチャンピオンのアドバンテージを活かして、迅速なアクションを行っていました。
6位 Swamp選手
カウンターアクション鋭いガンク巧者
Swampさんは特にガンクが上手い印象で、僕が有利を作れた試合でも先にガンクをされることがありました。劣勢だと判断した時のリスクを取った動きがとても鋭かったです。
正規ルートだけではなくガンクを見越したルート取りも多かったですし、アクションに対しての判断が速い選手だと感じていました。
チームゲームでのジャングルは、基本的には先に正解のアクションを起こせたもの勝ちです。ただし、カウンターアクションを起こすことによって、作られてしまった有利を少し埋めることができます。カウンターアクションされた側は、埋められた差を再び瞬時に拡げることは困難なので、やりづらかったですね。
AXZがミッドガンクを刺されてから、すぐにV3側の動きを読んでヘラルドに触りトップ側にローテーションしたSwampさんのムーブです。
僕は相手のサポートが先に寄れていたので、ヘラルドは触らずにクルーグを狩った後にボットカバーしようと切り替えたんですが、SwampさんはV3がヘラルドを触っていないのを見るや、ADCを寄せてヘラルドを取るという選択をしています。
この試合はボットレーンがジンクス VS アフェリオスのマッチアップ(タワープレートのゴールドをADCに入れる事が大事なマッチアップ)だったので、AXZのカウンターアクションは「ヘラルドをギブしてボットダイブを狙うことだろう」と読んでいたのですが、Swampさんにヘラルドを守ることを優先され、結果としてトップタワーとボットタワーの交換になりました。
5位 Flawless選手
知識豊富で理解度が高いベテラン
構成の理解度がとても高く、正解と思えるアクションやルート取りが非常に多かったです。ジャングルというロールにおいて、構成の理解度はアクションを起こす場所やルート取りの最適解を導くために大変重要です。
経験豊富なFlawlessさんは知識量も豊富で、こちらの裏を突いたムーブも多かったです。
上の動画は、ADCが重要なメタにおいてボットレーンに3レベルガンクを行ってから、ヘカリムというフルクリアの優先度が高い対面チャンピオンに対して、Flawlessさんが強気に入っていくシーンになります。
Flawlessさんはガンクによってボットレーンをカバーして主導権を確保し、ジャングル自身の目的である「ファームが重要なヘカリムにやすやすとファームさせない」という動きに繋げています。
僕がスマイト勝負に勝てたから良かったものの、青バフを取れていなかったらマナ管理も難しくなり厳しい状況になっていたと思います。
4位 Once選手
高い個人技と強いハートをあわせ持つ大胆不敵な男
Onceさん自身ももちろん上手なんですが、そもそもSGというチーム自体がV3と大変相性が悪いと感じていました。というのも、SGはレーンの主導権を優先したピックが多く、ランクなどの個人の実力差も大きいため、なかなか主導権が取れなかったのです。そのため、主導権を取ったレーナーとOnceさんが一緒に自陣ジャングルに入ってくるムーブが多く、苦しみました。
Onceさんは個人技のフィジカル面が目立つプレイヤーだと思いますが、構成の理解度も高く、対面を倒しながら試合に勝つというプランニングがとても上手だったと思います。
ボットレーンでのアクションに失敗した後に、トップとミッドが先に寄れる有利な状況なのでファイトしたかったのですが、OnceさんにEのMS増加で上手く避けられ、僕が大きなミスをしてしまったシーンです。
僕がOnceさんの立場なら、主導権を確認して危険だと判断した上で退いたと思いますが、この場面でこのムーブができるOnceさんはハートが強くて凄いと思います!
3位 Cassin選手
圧倒的な手数で敵を翻弄するマジカルスター
Cassinさんは敵ジャングルに侵入するなどのアクションやファイトが他のプレイヤーよりも多いと感じます。僕自身が受け身なプレイヤーという理由もあるのですが、Cassinさんにジャングルに入られてこちらの位置がバレたり、中立モンスターを狩るのを遅延されたりなど、予測できないアクションが多くとてもやりづらかったです。
また、むやみに手数が多いというわけではなく、結果を先読みした上で仕掛けているので、Cassinさん自身が倒されたとしてもチーム自体はファイトに勝っているシーンが多いイメージです。
ヘカリムやウーコンでのファーストエンゲージと呼ばれる集団戦の動きもとても上手で参考にしていました。
上は、Cassinさんがこちらのゴーレムにインベードしてきてスマイトで取るシーンです。
ミッド周辺でファイトするシーン。
9分後半から常にアクションを起こして相手のジャングルに侵入していることが分かります。青バフの集団戦でもレク=サイを素早く落としたら勝てると考えていましたが、Cassinさんのスキルドッジ、フラッシュの使い方、ウルトの使い方が上手で負けてしまいました。
2位 Blank選手
名門出身の超エリートジャングラー
Blankさんも経験豊富なプレイヤーで、ルート取りや、アクションを起こす場所の選択が非常に優れていたと思います。
BlankさんとStealさんは必要な場所に行くのがとにかく早いという印象です。例えば、ミッドとボットが大事なマッチアップの時などに、ミッドを経由してからボットケアをしにいくムーブは、この二人が特に上手なイメージがあります。
僕も同じタイプのジャングラーを目指していたのですが、必要な場所に行くスピードで上回られてしまい、その試合で必要なアクションを先に起こされてしまい苦しかったです。
僕がボットサイドでキャッチやドラゴン獲得するなどして、ボットレーンを勝たせることを最優先していたプランに対し、Blankさんにミッドを2度狙われました。結果として主導権を取るタイミングを作ることが難しくなり、ボリベアの強みであるサイドダイブが起こせませんでした。
このような動きは今でこそ読むことができますが、ミッドレーンの重要性を深く理解して試合を動かしていたBlankさんはさすがだと思います。
SHGがセトサポートをピックしたので、ボットレーンが強気に仕掛けてくると考えボットルートを取りましたが、ルートを読み違え、5分の段階で中立モンスター2個分の差がついてしまったシーンです。
その後のアクションにも失敗し、トランドルであるにも関わらずファームに時間を使わなければならなくなりました。ドラゴンは獲得できましたが赤バフを取られることになり、どんどんファーム差が拡がってしまっています。Summerでは改善されましたが、Springはこのような試合が多かったので深く反省しています。
1位 Steal選手
盤面掌握力S+ティアの理想形ジャングラー
Stealさんは、僭越ながら僕の完全上位互換の選手だと思っています。いるべき場所にいる、やるべきアクションを起こすということが非常に上手でした。その上で味方と連携した視界管理もレベルが高く、先にアクションを起こされてしまうことが多かったですね。とてもやりづらい選手でした。
単純に構成上重要なレーンのカバーに行くのではなく、マップ上に姿が写っても良いタイミングや、プレッシャーを与えるべきタイミングなどもしっかり考えた上でプレイしていたのではないかと感じます。
この試合では僕のミスを咎めるムーブとして、Stealさんはジャングルがやるべき重要な仕事であるゼリを育てるという動きをミスなく行っています。
僕はゼリが育つ前にガンクを刺したり、ドラゴンの有利を作りたかったのですが、Stealさんのこのムーブによって自分のターンが無くなり、アクションを起こしづらくなってしまいました。
Stealさんはやるべき基本動作のレベルが非常に高いだけでなく、この動画のレートインベードのように虚を突いたムーブをされて上手く対応できなかったこともありました。
ボットレーンでファイトするというプランが崩れてしまい、上手く対応できなかった僕のミスですが、このような変化球的な動きが出来るのもStealさんの凄いところだと思います。
そしてポッピーが上手い……!
終わりに
今回はLoL忍者さんにお願いされたのでランク形式にしましたが、正直言うと比較はできないですし、対面させていただいた選手は全員同じくらいリスペクトしています。それぞれの選手がご自身の強みを上手に活かしてチームと連携を取っていて、学ぶところがたくさんありました。
僕自身、年間を通じて試合に出続けることは初めての経験でした。かなりの試合数負けてしまい悔しいですが、この敗北から必ず学びを掴み取って、将来に活かしていきたいと考えています。
もしまたLJLへの出場が叶いましたら、対面ジャングラーの方々に絶対に勝つつもりで挑みます!
最後までお読みいただきありがとうございました。
各ジャングラーの個性が分かって面白いでござる。
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コメント
めちゃくちゃ面白い。是非他レーンの選手にも聞いてみたいですね。
真の視界を獲得
>圧倒的な手数で敵を翻弄するマジカルスター
二つ名おもろい
はちゃめちゃが即座に7位で出てきてなんか笑ってしまった
36連敗してもV3はボイチャで「勝つよ!ファイティーン!」って明るく言える程の強靭な精神のチームです。どれだけ負けても相手をこれだけ分析できるだけのメンタルを持ちたいものですね。
jgって毎試合正解が変わるような場面多いからかこういう記事少ないからすごく助かる
真の視界を獲得
最初の項目も最後のまとめ部分も読んでなくて草
流し見するにしてもどっちかは普通読むだろw
全員リスペクトしてるって前置きした上で7位にいきなりはちゃの顔ドーンは流石にズルい。笑わないわけがない。
スンッって感じの顔が余計に腹筋に悪い
記事タイトルでいじった上で、Yunika選手にランキングつけてくださいってお願いした管理忍、lolプレイヤーの鑑や
真の視界を獲得
blank顔ぱんぱんの時の写真じゃん
Yunika選手にしか書けない良記事ありがとうございます
Yunika「バロンバロン…(小声)」ほんとすき
KRしかいないLJLでよう頑張っとるわはちゃ
Yunika含め全JGをイジる管理人、PV稼ぐ構成が上手いなあw
Cassin評価されてて嬉しい
チームがAriaGangoの頃から助っ人に思う存分暴れて貰うスタイルで、全く安定して上位という訳ではないけど失敗しても尖っていく、ちょっとでも隙があれば集団戦でひっくり返す、そんなCGAの魅力を象徴する名手だと思う
面白かった
もちろん本業が一番なんだけど、こういうとこの露出が多いのは好感度かなりあがる
昔はインタビューとかを公式でやってたんじゃよ……。わしらが若い頃はのう……。
いくらなんでもlol忍者性格悪くない?
lolプレイヤーだぞ?
yunikaにヘイトが向かないようにお前らみたいなヘイターをタウントしてるんだよなあ
やはりシェン殿のタウントは頼りになるでござるなぁ!
noteの方の自画像は髪の毛がたくさんあって笑ってしまった
これこれ!こういう記事を待ってたんだよ!
Yunika選手ありがとうございます
はちゃめちゃもシンジャオとかポピー強いときはKRに負けないくらいのポテンシャルあるんだけど去年はきつかったか
Stealだけ画像小さいのじわる
俺はお前を笑わない
すごく読みやすい!yunikaありがとう
いっちゃあれだけどただ長文になってるだけになったら良くない
真の視界を獲得
好きでああなってるわけじゃねえんだ応援してやれ
髪型はどうにかなるやん なんで汚いロン毛なんやろ
AXIZ時代は普通に清潔感ある髪型だったよね
全員に泣かされてるだろ
はちゃめちゃで草
V3の選手みんな他のもっといいチームに拾われてくれ
経営陣は二度とLoLに参入するな
どれだけ負けたかを語るんじゃない
どれだけ勝ったかで語るんだ
by シャンクス
真の視界を獲得
別にええやろ
ボコボコにされたやつから見る強さランキングは十二分に記事として面白いしそこにプロ意識どうこうは関係ないよ
コーチが未発達な国で選手は育たないから連敗はしかたないやろ。
ソロキューJG講座はおもしろいし勉強なるから良い。