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とある海外の忍びの熱い長文投稿が話題に。
地域GAP
このWorldsは、2021や2022、2023みたいに相変わらず「西洋vsCN/KRの差」といった話題に火が付く結果になっている。相変わらず数字が語られ、EUとNAのファンはどっちの地域がクソかを言い合っている。
このような議論の中で、よく見かけるのは「今の練習レベルじゃ一生勝てない」「真剣度合いが足りない」「メカニクスが下手」「(お前の意見をここに挿入してくれ)」などだ。
だが、西がアジア勢に大きく後れを取っている本当の理由は別にある。
現実を見ると、欧米勢はレーン戦ではほとんどCN/KRに劣っていない。確かに2016のことは欧米勢の平均レーナーは30CS差をつけられていたりしたが、そんな時代は終わった。
ゲームが進化した今は、もっと別の高度で洗練されたニュアンスを持つ。実際、LoLに関する研究/知識は指数関数的に増えている。2018のマクロコンセプトは今はもう時代遅れだ。今のどんなチームだってそのころのマクロよりは優れている。
もはや、昔のようにRookieとメカニクスの才能がある新人3人でWorldsを優勝できるような時代ではないのだ。
ただ一つの理由
いまやプロになるために知っておかなければならないLoLの知識量は2018の10倍はあり、そしてそれだけがアジア勢に勝てない理由なのだ。
知識/研究結果の適切な管理、そして蓄積がない事、これに尽きる。
LoLはもはやメカニクスでどうこうするゲームではなく、知識の問題だ。マップを使ったプレイ、オブジェクトのセットアップ、ウェーブ、経験値、金、インベード、有利の活かし方、不利なときの立ち回り方、マッチアップ、様々な構成に応じた集団戦のプレイ方法、ダイブの方法、ディスエンゲージの方法、ポーク構成での戦い方、カイ=サが味方にいてカリスタが敵にいるときのファイト、CD差の活かし方……などなどなど。
たとえば、CaedrelとMikyxのBLG ONに対するレビューを見てくれ。ここでMikyxはたった1瞬の動きに関して100分も話している。
これは異常なことで、たった1ゲーム、たった1マッチアップのために1人のプレイヤーがどれだけのニュアンスを含み持っているのだろうか。
プロは動く百科事典のようなものなのだ。
知識
これは一朝一夕に身につくものではないし、ソロキューも役に立たない。プロになるのは、ソロキューで天才と呼ばれることとは全くの別物なのだ。
今、ソロキューの才能あるプレイヤーから、本物のプロゲーマーになるのに数年を費やさなければならない。
ここに、近年になってアジア勢で若手があまり目立っておらず、LoLプレイヤーの平均年齢が上がっている理由がある。
アジア地域はこの問題を、チームをナレッジベースとして成立させることで解決している。Gen.Gは選手をローテーションさせ、監督を交代させながら、7年間一貫してトップチームであり続けている。なぜか?Gen.Gは知識、練習、ゲーム理解の巨大なハブとなっていて、それを共有、増殖させている。
知識を広めるために、Gen.G、T1、EDG、RNG、JDGなど、アジア勢のすべてのチームは独自のアカデミーを持っていて、そこで選手の成長と準備に時間を費やしている。
練習生はソロキューやメカニクスだけを鍛えてはいない。実際、ほとんどソロキューをプレイしない。16歳の平均的アカデミー生が何をしているかというと……ひたすら勉強だ。毎日コーチがゲームを理論的に説明するセッションがある。コーチは目標を設定して、測定可能な結果で示すことでスクリムや練習に臨む。
アカデミー
アカデミーはシステム化されており、大学の施設とペアになっている。プロの授業、プロのコーチ、そしてハードディスクに保存された知識。LPLのトップアカデミーは、年間200年を処理する。
Deliberate Practiceと呼ばれる概念がある。Anders Ericssonによって提唱された概念であり、トップの人々がどのように練習しているかを表している。最高の選手、音楽家、スポーツマンは、ただプレイするだけではない。
自分の弱い部分を特定し、それを改善するための明確なルーチンを設定し、進歩を測定するため目標を設定し、前週中で練習に臨む。
2013のSKTのように、毎日14時間ソロキューをすることはもうない。Worldsの前の2週間の空白期間にはソロキューをほとんどやらない選手もいるが、それでも結果を出している人はたくさんいる。
才能がすべてなんでしょう?
「突然出てきた才能ある新人はまだいるだろ」と言って、Peyzの名前を挙げる人がいる。
真実は違う。14歳でGen.Gアカデミーに入って、3年間をGen.Gシステムで過ごす。両親はプロのサイバーアスリートを出すことに熱心であり、多くの投資をした。3年間かけてマクロ、マップ、コンセプト、ルーティンを学んだ。
17歳にして、世界のどのADCよりもゲームについての知識があった。
人口がすべてじゃない
ランクとメカニクスだけがすべてで、それだけで世界最高のプレイヤーが生まれるのであれば、4000万人プレイヤーとEUW以上の人口を持つスーパーサーバーを抱える中国は圧倒的頂点に君臨しているはずだろう。
韓国にも中国にも、1日14時間プレイする非常に優秀なソロキュー選手はいるが、Worldsの舞台に立っているのは彼らではない。アスリートとして知識を蓄えたものがそこに立つのだ。
もし、欧米勢がアジア勢と戦いたいというなら、2019の幻想は捨てて、メカニクスが良ければ勝てるという幻想を取り払い、特定の選手に依存しない独自のシステムと知識ベースの構築に着手するべきだ。
半年ごとに「解体しろ」だの「今年は優勝しろ」だの求めるのはやめろ。
こんなに頻繁に解散だのシャッフルだのチーム売却だのやっているようでは、欧米のチームが知識を蓄えるベースが全くできないのも不思議ではない。
これに対して、Redditでは以下のような反応が見られた。
反応
- Peyzの話だけどさ、欧米の俺たちが今の文化でこんな生活を実現することはできないと思うんだよね。それがいいことか悪い事かはさておき。
それに、知識なんていうのはたった一つの要素に過ぎないよ。俺たちだってゲームの知識がものすごいプレイヤーはたくさん持っている。でも、その知識を生かすためにはやっぱり限界まで追い込んで練習する必要がある。メカニクスと同じだ。
- 俺たちの国の問題として、「LoLみたいなゲームをやっているのは負け組」という文化がある。俺の両親もゲームを何時間も俺がやっているのは気に入らなかったし、どこの子も同じ体験をしているらしい。
他の大多数のアメリカ人がそうであるように、フィジカルスポーツは俺も好きだ。欧米の人たちは、esportsなんてまるでジョークのように扱っている。俺はNBAのプレイオフと同じくらいWorldsに毎年期待していて、もっとみんなとそれを語りたいのに、LoLをやっている友達でさえここ最近はプロには興味がないみたいだ。
俺たちの文化が、esportsを真剣にとらえるようになるまでは、アジア勢に追いつくのなんて無理なのさ。
- 俺たちに欠けているものは、プレイヤーの心理的な分析だと思う。LoLは知識と同様にブラフのゲームでもある。
ジャングルが近くにいるように見せかけたりして、心理戦で大きなアドバンテージを得ることもある。
格上のアジアチームが欧米と対戦する場合、同じようなことをして有利に戦っている。反対に、弱いチームは敵の一挙手一投足にビビり散らかして、T1やGen.G相手になるとそもそもパフォーマンスが非常に落ちている。
- NAの最強チームでさえヨネをまともに使えないのだから、「メカニクス不足じゃない」なんて言えないと思うんだけど。
- NAがビデオゲームをどうとらえているか考えれば、理由は明白だ。
どんな企業だってゲームの大会には投資したがらないだろう。
その国の文化がスポーツにもたらす影響は計り知れない。読者諸賢の感想もぜひお聞かせ願いたい。
担当:いちずなイブリン
FLY殿がまだ残っているでござる。
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コメント
FLYはその中でも最強のチーム相手でおそらく誰も期待してないんだよね・・・
実際メカニクスでは少なくともEUのトップクラスは中韓に劣らないとは思う
チームのマクロ的な判断に関してはやや疑問が残るプレイもあるから、知識面での差がミクロよりも大きいって話は納得感があるわ
NAのレーナーのメカニクスに関してはうーん、ちょっとよく分からん、足りてないようにも見えるんだよね
普通に中韓の方がうまいわ
真の視界を獲得
記事に書いてることを賢そうにまんま復唱してんのなんかじわじわ来るわ
分かる。
こんなに頻繁に解散だのシャッフルだのチーム売却だのやっているようでは、欧米のチームが知識を蓄えるベースが全くできないのも不思議ではないよな。
真の視界を獲得
実際にBBとかは有利マッチアップならBin相手にもレーンでちゃんと有利取ってた
中韓のトップ層相手にもマッチアップ通りにレーニングを出来るメカニクス持ってるなら、次はマクロ面が課題ってなるのは当然と言えば当然よね
まぁ全員がBBみたいなメカニクスを持ってる訳ではないけどさ
フィジカルスポーツと違って明確にメタが存在するのも大きいだろうな
サッカーのように選手やチームの色を濃く使うことができないジャンルだ メタの奴隷
ただ最近は中韓の提示したメタに対して順応しようとしすぎているように思える。
FLYには期待してる
ビデオゲームの捉え方みたいな面だと、日本もNAとかと同じところあるよねー
既存のスポーツがデカい興行市場を持ってる地域や国は、文化として新しい何かに熱中する必要性が低いのかもしれない
徐々ににんちされつつあるから今後に期待したい!
因果が逆な気がするけどな
NAのプロリーグって初期から存在感はあったじゃん。DyrusとかAphromooとか有名な選手はいっぱいいた
あの頃はesportsに真剣だったけど、今じゃ心が折れて酸っぱいブドウでビデオゲームのプロwみたいになってる様な
SHGとDFMがLJLで他のチームに対して圧倒的だった理由
チームが金と労力かけて得た成果とはいえ世界に進出すること考えるなら国内で共有するべきだよな
ljlなんかは世界の舞台への直通券無くなったわけだし国内でいちばん強いとか言ってても今まで以上にだから何となってしまった
これに関してはLJLはレーンで試合終わることも多かったからより深刻な気がする
ミクロもマクロも段違い
でもいいコーチ雇えるお金もないからチームが悪いとも思わない
俺が大富豪になってクソデカesportsチーム作るから待っとけよ皆。それまでevi、yutapon、marble、rayfarkyにプロ続けさせてくれ
素直にいい視点からの考え方だなって思った
いまいち反論する部分もでてこないや
真の視界を獲得
自分が1番斜に構えて噛みついてて凄い
どのスポーツでもエアプ観戦勢は身体能力とか基礎的な技術を軽視して、見かけの戦略や駆け引きばかりに目を向け見当違いな批判をする
知識やノウハウが大事と言っておきながら差がつくプレイの具体的な例もまともに出てこない
ソロキューの話出てるけどlckのスター選手は普通にランク高い人多いのに都合よく無視
こんな記事に疑いもなく賛同してる奴が大勢いるんだから公式配信のコメ欄がクソみたいになるのも納得
タイトルだけ見て本文読んでなさそう
LOLは知識ゲー
LJLプロでも相手のステータスとか見てないやついるだろ
説得力のある内容だけにマイナー地域の活躍が今後さらに厳しくなりそうだと思った
LJLはNAEUと違って単純な筋力不足だから関係ないな
サッカーでファンタジスタが減ったり、野球で極端な守備シフト(禁止された)が流行ったのと似たような感じだろうか
現代サッカーでファンタジスタが減ったのははフィジカル、運動量が重要視されてきたからじゃね?
シーズン重ねるごとに必要な知識力が跳ね上がってソロキューの腕自慢が参入できる隙間がすでにないんよね、3KRよりこっちがLJL衰退の要因としてデカいと思う
G2の最後の試合見て、もうこいつら実力とかじゃなくて「俺たちは中韓に勝てない…」ってメンタルブロックだろ!とか思ってたからそういう記事かと思って開いたけど、全然違って面白かった
LECの人たちの観戦スタイル楽しげで好きだから、また1チームぐらいは勝てるようになって欲しいな
長くプレイされているゲームだから積み上げた経験と知識は重要だよなぁ
日本で言う野球やニュージーランドのラグビーみたいに、韓国では大多数の人がLOLに対して肯定的な感情を持っていて、幼少の才能あるプレイヤーがプロへとステップアップできるだけの環境がある(と思う)
Redditで言われているアカデミーのシステム化やノウハウの蓄積、有望株の排出等はすべてこの恵まれた土壌に下支えされているし、プレイヤーやファンベースが大きいことによって金銭的な面からも長期的な展望を持つことを可能にしている
根本的な要因としてこの土台の強さが西洋を分けているんじゃないかあと思いました
他のスポーツとかでもよくある事だよね
プロ全体の能力を向上させるためには子供の頃から競技する人口を増やしてじっくりと底上げをしていく必要がある
問題は日本ではゲームでプロを目指そうという土壌がまだまだ育ってない上に、
音楽やスポーツの様な他の分野の土壌が整いすぎててゲーム分野の土壌が育つだけの余地が少ないこと
ヨーロッパ圏のサッカークラブも似たような物だな
子どもの頃から地元のクラブなどに所属していて有望な子どもは名門クラブから声をかけられて知識や技術を教え込むことで早い段階からチームに合った人材を育ててる
中国のことは分からないけど韓国も同じようにPCバンがチーム持ってたりしてそこで有望なプレイヤーにチームから声がかかってアカデミー入りするケースもあるみたいだし地域によって環境が違いすぎる
つまり「今の練習レベルじゃ一生勝てない」「真剣度合いが足りない」に集約するじゃん
これは個人レベルの話じゃなく地域レベルの話で、CN,KRのように人生賭けてやってる人が居ないというだけ。俺達はやっている!という事がCN,KRから見たらやってないように見えるだろう
国語の要約問題だったら間違いなく0点
部分点もつけられない
まさにその通り
長文でうだうだ言ってるが言ってることは同じ
ミクロは天井がある
マクロが青天井すぎる
ミクロ面での微細な差と知識の差がマクロに影響する
フィジカルスポーツ好きな国民性なら別に無理にesportsに力入れる必要ないと思う
えーそうかな結局このゲームはミクロじゃね…?
知識はむしろ金で解決しそうだけど
ミクロには限界というか、天井があるんですよね
まあこんなマッチアップはそう無いだろうけど、極端な話としてMidでカサディンvsケイトリンのレーン戦を考えてみてほしい
ダイヤvsプロだろうと、プロvsプロだろうと、Lv3までの動きはどんなプレイヤーも全く同じになるだろ?(カサディン側がほぼ完全に主導権を渡して、セーフにプレイするだけ)
正しいミクロを続けるなら構成やマッチアップによって決まり事があるわけで、そこに対してそれ以上は上手くなることができん
逆にマクロは、あまりにも要素が多すぎて複雑だから青天井になるんだよ
SoloQなんてやる意味はないと豪語してひたすらコーチと戦略を練り上げて王者を戴冠したDRX BerylとかいうLoL仙人
リージョン全体でマクロのレベルを上げるというのは
マー苦労することでござろうな
実際LCKLPLvs他地域だと最序盤のキルは他地域が勝ってるけど、有利を広げられない(メジャーリージョン側がスワップとかで対応する)状態で中盤から逆転する事は良くある
視界管理の仕方、オブジェクトギブして反対側のオブジェクトをとりにいく判断力、バロンをやるかどうかの判断とリコールタイミング、状況に応じた適切なバンピック(特にNAのチーム)
この辺りはソロキューでは身につくには限界があるし、難しいけど同じようなピックではLCKLPLの最上位相手は不利だからTOPヤスオであったりJGヌヌであったりトロールに近いようなピックも武器にしていく他ないとは思う
土壌に関してはKRは一日の長どころの話じゃないからなぁ
スタークラフトとか昔から熱心に大きなコミュニティ築いてやってたのが
タイトルを変えながら世代をまたいで脈々と続いてるんだろう
アカデミーに関しては次世代育成と補欠枠兼ねてるぐらいに勝手に思ってたが年単位で組織的に研究蓄積して座学してるとはね
そら素人目に見てもマクロで圧倒されるわけだわ
俺もうよくわからねぇから全部!全部必要!
これは日本だけじゃなくて他の国も無理だわ
中韓だけだなEスポ巨額の資金かけられるの
これが本当だったらけっこう残酷な事実だよね
だってつまりはどんなに努力したってもはや土台が違うから追いつけないってことだよ
そんなん欧米勢はもう萎えちゃうよね
サモリフ自体も変わったしねー
昔はtopサイドがどうでも良かったし、今よりもっとmid,adcゲーだった
今はグラブヘラルドでtopサイドの重要性が上がったし、top,sup,jgのパワーもかなりあがった
つまり?
どのレーンからでも勝てるようになった
mid,botで張り合わなくても、相手がbotに力を入れるなら、topから勝つB/P、ゲームメイクで対抗できるようになった
その分高い戦略(B/P、マクロ)が求めらえるようになった
当然ながらソロQとは隔世の感があるな
知らんやつとプレイせざるを得なくて意思疎通に限界があるから、複数人で統制の取れた動きをしなきゃ効果が薄いようなマクロは、ソロQじゃどうあがいても育たないっていうか
誰か1人のマクロだけが飛び抜けてたところで周りが理解して動けないなら意味がないし、ソロQは普通のセオリーさえ知ってればミクロの方が遥かにレートに与える影響大きいだろうから
ゲームとしてはマクロが青天井、ミクロに天井ありなのかもしれんけど、ソロQは逆にマクロに天井あって、ミクロが青天井なのかも
こんなに頑張って積み上げても2週ごとにパッチでかき回されるの正気ではいられなくない…?