Worlds初優勝の舞台裏で、Doranが語った成長とメンタルの変化
決勝戦のアンベッサ起用からFaker・UntaraとのVODレビュー、優勝直後の心境、MSI後に向き合ったプレッシャーや自身の悪い癖、そして兵役を控えたキャリア観とストーブリーグへの本音まで。T1のトップレーナーDoranが、2025年シーズンを通して何を学び、どう変わったのかを振り返った配信の内容を整理する。
- Worlds初優勝の舞台裏で、Doranが語った成長とメンタルの変化
- スキンの話
- ファイナルで一番の試合
- スヌン(大学修学能力試験)の話
- オープニングセレモニーとティーザー
- KT戦ゲーム1を見返そうとするDoran
- KT戦ゲーム2をレビューしようとするDoran
- TES戦ゲーム1のレビュー
- TES戦ゲーム2のレビュー
- TES戦ゲーム3のレビュー
- KT戦ゲーム1のドラゴンと集団戦
- ファイナル第1ゲームはソロキューみたいな試合だった
- アンベッサのフラッシュウルトとFakerのダメ出し
- Onerのウィンク問題
- KT戦ゲーム1の続き(Faker&Untara乱入後)
- KT戦ゲーム2
- KT戦ゲーム3と4
- KT戦ゲーム5
- KTベースでの謎デス(31分)
- 決勝に勝った瞬間のこと
- 今年一年の成長について
- MSI後のメンタルの変化
- その他の締めの話
- アンベッサについて
- 終わりに+FAについて
スキンの話
Doranは、自分のスキンを作れることが本当にうれしいと言っていた。
T1のスキンなので、T1にとって象徴的な意味を持たせたくて、アンベッサを選んだとのこと。アンベッサは、自分の名前を広く知られるきっかけになった、いわゆるシグネチャーピックだと話している。
グラガスもDoranにとってはシグネチャーチャンピオンだけど、T1のDoranといえばアンベッサだろ、という感覚らしい。
投票ではカミールやグラガスにもかなり票が入っていた。Doranとしてはアンベッサが全部持っていくと思っていたけれど、いかにもトップレーナーって感じの人たちが多かったね、と笑っていた。
ファイナルで一番の試合
クォーターファイナルは、正直あまり楽しくなかったと言う。セミファイナルになってようやく楽しめるようになったらしい。
Onerのムンドの試合はすでに見返したが、ドラフト中のOnerの表情まではまだ見ていないとのこと。
配信の前に16時間寝てから起きてきた、とも話していた。
ファイナルのゲーム1(アンベッサで9/3/7を出した試合)については、自分ではうまくプレイできたとは思っていなかったらしい。ファイナルの翌日になるまで、自分がPlayer of the Gameを取ったことすら知らなかったと言う。
本人はKeriaかOnerが取ると思っていて「なんで俺が取ったんだろう。POGの基準がマジで分からない」と話していた。
むしろ自分のベストゲームはレネクトンの試合だと感じている。KTとのゲーム3(0/7/6で終わった試合)のことだ。
試合の途中でスコアボードを見たら0/5になっていて「なんでこんなことになってるんだ?」と思ったらしい。
それでもレネクトンのプレイ自体は気に入っていて、単にレーンの状態的に勝ちようがない状況だったと振り返っている。ただ、どうして最終的に0/7までいったのかは自分でも分からないと言っていた。
視聴者から「アンベッサがウルトを撃つたびにトロフィーが出てくるようにしてほしい」とリクエストされたが、「それはさすがに自分に酔いすぎでしょ」と却下していた。
スヌン(大学修学能力試験)の話
ちょうどスヌン(韓国の大学修学能力試験)の時期が近いので、その話にも触れていた。
Doran自身はスヌンの思い出は良いほうだと言う。試験本番、自分は解き終わるのがかなり早くて、余った時間は寝ていたらしい。
そのころにはすでにeスポーツの練習生だったが、それでもスヌンを受けたのは「学校や塾に通ってきた時間を全部ムダにしたくなかったから」。そういう気持ちがあって受験したと話している。
一度だけ受けて、それが自分にとって良い経験になったと振り返っていた。
オープニングセレモニーとティーザー
Doranは、決勝のオープニングはまだ通して見ていないらしい。
配信中のちょっとしたシーンで、ザーヘンを「気持ち悪い」と言ってしまい、あわてて「今画面に映っているパフォーマーの人をディスったわけじゃなくて、キャラクターとしてのザーヘンの見た目の話だから」と補足していた。ザーヘンという名前自体はカッコいいとも言っていた。
Onerのウィンクについて。Oner本人は「ウィンクなんてしてない」と言っていたらしいが、映像を見返したDoranは「いや、あれはウィンクしてる」と結論づけていて、結果的にかなりカッコよく映っていると評価していた。
配信では30秒スキップのボタン設定をいじろうとして、少しトラブルもあった。マネージャーが部屋に入ってきて一緒に設定をいじったものの変更できず、そのまま使うことにしていた。
ティーザー映像については「ちょっと退屈」と言って、サクッと飛ばしていた。
KT戦ゲーム1を見返そうとするDoran
試合レビューの配信なのに、Doran本人は「そもそも何をどう見ればいいのか分からないんだよな」と半分困りモード。
ゲーム1については「見るところがない」と言い、ゲーム2も「自分のハイライトがないから、何を見ればいいか分からない」と話していた。
「はあ……自分がうまくやったシーンって、ホントにないんだよな」とため息をつきつつ、
「じゃあ、味方が一番うまくやったシーンだけピックアップして見よう」と方針を変える。
ゲーム1で一番活躍したのはOnerだと評価している。
とはいえ、味方のプレイのベストシーンを探すのもけっこう大変なので「やっぱり自分のプレイだけ見よう」となり、結局自分視点中心で振り返ることにした。
KT戦ゲーム2をレビューしようとするDoran
ゲーム1はあまり良くなかったと感じていて、ゲーム2の出来のほうが良かったと話している。
25分のシーンでは、ミッドのブッシュに隠れて、フルチャージのサイオンQでエズリアルをキャッチするきれいなプレイがあった。
ただ本人いわく、仕込みは悪くなかったものの、やっていること自体は「ブッシュからQをチャージして当てただけ」なので、そこまで大したプレイという感覚もないらしい。
それでもゲームの中でレビューしたくなる場面を見つけるのが難しくなり、途中でTES戦のほうに移ることにする。
TES戦ゲーム1のレビュー
Doran的にはうまくプレイできた試合だと感じているが、中身としては「ずっとファームして、集団戦ではモルデカイザーでウーコンにウルトを撃ってただけ」と自己評価。
「ダイヤ帯のモルデワントリックでも同じことはできたと思う」とまで言っていて、やったこと自体はシンプルだと振り返る。
アタカンでの集団戦が終わった時点で、構成差もあって試合はほぼ決まったと話していた。
TES戦ゲーム2のレビュー
この試合は簡単ではなかったとDoranは言う。
12分30秒のシーンで、TESがT1の青バフ側に入ってきたとき、OnerのジャーヴァンIVのウルトで自分が閉じ込められて、もう少しで死にかけた。ボイスチャットでは「Faker兄さん、ガリオウルトしてください!」とかなり叫んでいたらしい。
そのあと、T1側はトップレーンでTESのボットデュオにきれいなダイブを決める。Doranがテレポートして入り、KeriaとOnerがそれに続いた形だ。
このとき、Doranのカミールはちょうどトリニティ フォースが完成したタイミングで、トップタワーのプレートを全部回収できたのが相当大きかったと話している。
そこから先は、やはり構成差もあって試合はほぼ決まったと振り返っていた。
TES戦ゲーム3のレビュー
全体としては、自分のプレイは悪くなかったと感じているが、序盤の入りがよくなかったと自己分析している。
特にキヤナの最初のガンクで死んでしまったのは、やっちゃいけないデスだったと反省していた。キヤナはこの試合でかなりキルを拾ったが、それでもT1側の構成が優れていたので、最終的には勝ち切れたとまとめている。
Doranいわく、Worlds期間中のT1はLCKのときと比べて集団戦がかなり上手くなっていて、それが勝ち試合の多さにつながったという。
KT戦ゲーム1のドラゴンと集団戦
Worldsではドラゴンの重要度が上がったので、ドラゴン周りの戦いがより重くなったと感じている。
T1はボットサイドの4対4で多く勝てていて、特に3体目のドラゴンのファイトや、その他の場面も上手く対処できていたと評価している。
とはいえ、どの集団戦も完璧だったわけではなく、ミスの多いファイトもあったので、全体的に見て常にクリーンだったとは言えないとも話していた。
ファイナル第1ゲームはソロキューみたいな試合だった
ここでUntaraが画面にゆっくり入ってきて、少し遅れてFakerも入ってくる。Fakerは途中で、話しているDoranを「わっ!」と不意打ちで驚かすような動きもしていた。
ちょうどそのときDoranは、3体目のドラゴンファイトでFakerがランブルのフラッシュを落としたプレイを褒めているところだった。
Doranは「Keriaがウーコンのエンゲージに対してポッピーのWでどう反応したのか気になる」と言うが、Fakerは「そのレベルのプレイは当然やるもので、やるべきことをやっただけ」という感じだった。
Untaraは「Doranのエンゲージもよかった」と褒めるが、Doranは「Untara兄さんでもできるプレイでしょ」と返し、Untaraは「そもそもアンベッサが何をするチャンピオンなのか分かってない」と笑いながら言い返す。チームファイト後のコーチ陣のリアクションを見て3人で笑っていた。
チャット欄が「DoranはVODレビューが下手すぎる」とFakerにチクり、Fakerが「チャットが、お前レビュー下手だって言ってるぞ」と伝える場面もあった。
次のシーンに移るとき、Doranは「ちゃんと客観的に見てくださいね」とFakerに冗談半分で念押ししていた。
アンベッサのフラッシュウルトとFakerのダメ出し
ボットレーンの場面で、Doranがフラッシュからアンベッサのウルトでアッシュに仕掛けるシーンを一緒に見る。
Fakerが「ああ、これはさあ……」と文句を言い始めるところで、Doranが「ちょっと待ってください」と割り込む。
Fakerは「なんでここでフラッシュを使った? どういうミスか教えてあげようか」と聞き、Doranは「いや、ここはフラッシュ切るしかないっすよね」と主張する。
Fakerの説明だと「もしPeterがここでブラウムのウルトを撃っていたら、アンベッサは即死していた。しかもPeterはブラウムQも当てているから、そこにウーコンがE→通常→Qまで入れてきたらスタンが発動して、そのまま倒されていた」とのこと。
Doranは「でも、そこにOnerが飛び込んでシン・ジャオのウルトでスペース作ったらどうなるんです?」と反論するが、Fakerは「その場合でもランブルのウルトが前線を切り裂いてくるから結局厳しいよ」と返す。
Doranは「でもシン・ジャオの立ち位置的にアッシュには触れるはずっすよ」と食い下がり、Fakerは「じゃあチャットに判定してもらおう」と視聴者に委ねる流れに。UntaraはDoranのプレイを褒めつつ、Doranは「トップメインと一緒に見ないとダメだ。ミッドレーナーと見てたら話にならない(笑)」と半分本気、半分冗談でぼやいていた。
Onerのウィンク問題
ここで一行はオープニングセレモニーに戻り、Onerのウィンクシーンを確認する。
Fakerは「やっぱりOnerはウィンクしている」と断言。ただ、本人に聞いたときはOnerは「あれは目がかゆかっただけ」と否定していたらしい。
DoranとUntaraも最初はOnerを信じていたが、映像を見直して「これは完全にウィンクだな」という結論に落ち着いていた。
Fakerは「Onerはスターになろうとしているな。カメラを探してる暇があったら、敵ジャングラーを探せと言いたい」とイジる。
Doranは「この話あんまりするとOnerに怒られそうだからやめておく」と言うが、UntaraとFakerは「Onerはこういうの実は好きだから大丈夫。ドクター・ムンドのピックでイメージ上がったときとかもそうだし」とフォローしていた。
FakerはムンドとOnerの本名Mun Hyeon Junの「ムン」をかけてダジャレを言いながら「ムンドとムンがつながってるから覚えやすい」といったネタも挟んでいた。
最後に、Fakerが「ドネーションの音が聞こえない」と言い出し、Untaraと一緒に「なんでこんなに小さくしたんだ」とDoranに聞く流れになる。Doranは「チャットから音がデカすぎるって言われたから、マネージャーが音量を下げました。でも自分にはちゃんと聞こえてます」と説明していた。
KT戦ゲーム1の続き(Faker&Untara乱入後)
28分のシーンで、FakerはBddがミスをしたと言う。
それを受けてDoranはチャットに向かって「こういうのは誰でもミスるから大丈夫」とフォローを入れる。
Doranは「さっきFaker兄さんもゾーニャの使い方ミスってましたよね」とイジるが、Fakerは否定。
UntaraとFakerは、Fakerの説明を待つものの、結局詳しい説明は出てこない。
Doranは「Fakerがゾーニャを使って、Bddのフェイズラッシュを不発にして逃げさせないようにしたんだと思ってた」と解釈を語っていた。
29分ごろの、5体目ドラゴン前の最終ファイトでは、Onerの活躍がやばかったとDoranとUntaraが口をそろえる。
その場面を見ながら、みんなでDoranのプレイにも注目。
Doranは少し緊張しながら「あのファイトはきれいにできてたはず」と自己評価し、FakerとUntaraもそれには同意していた。
35分のミッドレーンの戦いでは、Doranがまたもフラッシュからアンベッサのウルトでアッシュに仕掛ける。
Doran的には「あのプレイは良かった」と感じていて、その理由として「どうせアッシュか誰かには当たる状況だったし、KTがまとまってたからどっちに転んでも悪くなかった」と説明する。
そこでUntaraとDoranがFakerの意見を求めるが、Fakerは少し渋い反応。
その空気を察して、Doranは「ちょっと厳しめに見てないっすか?」とツッコむ。
ただ自分からフィードバックを求めた手前、きちんと話を聞くDoran。
Fakerのフィードバックは「ミッドでウーコンがポジションを崩しているのが見えた時点で、あそこでフラッシュを切る前に、すぐにウルトでBddかブラウムに当ててファイトを起こすべきだった」というもの。
つまりFakerのイメージでは、フラッシュを温存したまま、ウーコンがずれた瞬間にアンベッサRでBddかブラウムを捉えてファイト開始、というのが理想解だった。
このあとDoranは「そろそろご飯行くんすか?」とFakerとUntaraに聞き、
UntaraとFakerは「もしかして追い出そうとしてる?」と冗談を返す。
最終的にFakerとUntaraは焼き肉に行くため、配信から退出する。
KT戦ゲーム2
Doranは「Faker兄さんの配信が楽しみだ。兄さんはマジで細かく見てくれるから」と言いつつ、同時に「けど言ってることは全部正論なんだよな」と認めていた。
序盤のOnerのミッドガンクのシーンについては「さすがにあれは不公平だった」とコメント。
メルのWがなぜかジャーヴァンIVのコンボをブロックしてしまい、結果として2対2でFakerとOnerが両方倒される形になったので、画面上の見え方だけだとOnerがすごく悪く見えると話していた。
シリーズ全体が終わったあと、誰かに「なんでメルあんなに育ったの」と聞かれたのを思い出して、「まるで俺がメルにキルを渡しまくったみたいに言われたけど、ほんとに俺無罪だからな」と笑っていた。
12〜13分ごろ、2体目ドラゴンの場面では、自分のサイオンRインが「家を売って子どもを大学に行かせるくらいの大勝負」だと冗談を言う。
トップサイドでレク=サイがひたすら得をしていたので、それくらい投資しないといけない状況だった、というニュアンス。
序盤はチームとしてはうまく戦えていたと感じているが、試合が突然ひっくり返った印象もあると言う。
18分のシーンでは「なんでサイオンのウルト出なかったんだろう」と自分で首をかしげていた。
あのファイトはT1がほとんど負けかけたが、最終的にはなんとかきれいに片付けられたと振り返っている。
その後の展開についてはざっと流し見するだけで、24分時点でKTにかなり大きなゴールド差がついているのを見て「いつの間にこんな差がついたんだ」と不思議そうにしていた。
Bddのメルについても「さっきまで1キルだったはずなのに、なんで今8キルなんだ」とツッコんでいた。
KT戦ゲーム3と4
Doranいわく「この2試合は特に語ることがない」とのことで、さっとスキップ。
KT戦ゲーム5
Onerが3キャンプからそのままトップにガンクしたことで、試合展開が一気にやりやすくなったと話す。
PerfecTが一度倒された時点で「ここから先もずっと倒され続ける展開になる」と感じていたらしい。
ボットレーンでは、Deokdamがレベル6になった瞬間にKeriaをキルしたシーンを「アンラッキーだった」と評している。
T1側はdeokdamがレベル6に到達したのを見ていなかったので、自分が「6になりそう」とコールしておくべきだったと反省。
そのときのDeokdamのプレイヤーカメラがかなり面白かったとも笑っていた。
自分の最初のデスについても振り返る。
ドラゴン付近でスモルダーにエンゲージしたが、ガリオがヨリックに邪魔されてフォローが遅れ、その間にスモルダーが逃げてしまった場面だ。
このあとスモルダーがトリプルキルを取って、一気に試合が怪しくなる。
26分のシーンでは、バロンからターンしてKTを倒し切ればそのまま試合を終わらせられるチャンスがあった。
Doranはスモルダーにウルトを当てにいこうとするが、Bddが壁を越えてトップの2本目タワー方向に飛んでいき、Doranはそれでも飛び越えてウルトを撃ちに行く。
その結果、DoranとFakerが一緒に落ちてしまい、Bddは生き残る。
Doranとしては、振り返っても「あそこは角度として悪くなかった」と考えていて、「あそこでスモルダーを倒せていればゲームは終わっていた」と話す。
ただ、自分が1秒くらい躊躇してしまったのが問題だったとも認めている。
Fakerが一緒に死んだのは「友情死」みたいなものだと冗談交じりに言っていた。
KTベースでの謎デス(31分)
KTのベースでの謎デスについては「緊張で手が震えたとかじゃなくて、普通にLoLが下手だっただけ」とバッサリ自己分析している。
こういう意味不明な死に方は今回が初めてじゃないから、ナーバスになっていたわけではないと強調していた。
あのときのプランはこうだったと説明する。
スモルダーにはフラッシュがなく、トップインヒビター前でダイブしてゲームを終わらせる角度があった。
Doranはミッドを押し込んで、スモルダーに「トップとミッド両方のタワーを守らないといけない状況」を押し付けようとしていた。
スモルダーが2本のタワーの間を行き来するタイミングで挟み撃ちにするイメージだったが、その意図を味方にまったく共有していなかった。
そのせいで、味方側からすると「カミールがミッドに行った=トップインヒビダイブのプランは消えた」と判断されてしまったのだろうと推測していた。
カミールはT1のフロントラインの一部なので、前に立つはずのチャンピオンがレーンを離れた、くらいの認識になっていたはずだと。
もしやり直せるなら、あの場面では自分がもっと強くコールを出して、Onerのパンテオンに「ここでウルトで飛んできて」と指示を出し、全員で一斉に行くべきだったと振り返る。
ゴールド差はまだ大きかったとはいえ、あのデスをきっかけにかなり危ない展開になりかけたと話している。
それでも最終的には他のメンバーがカバーしてくれたおかげで勝ち切れたとまとめつつ、
「本当はミスを一切しないのが一番いい。でも次にもっといい角度があると思ったら、俺はまた行くと思う。そういうチャレンジ精神自体は大事だと思ってる。ただ、今回のは絶対に起きちゃいけないミスだった」と自己評価していた。
映像を見返すとやっぱり恥ずかしくて、「これって緊張だったのかな」とも考えたが、結論としては「緊張じゃなくて完全に実力不足だった」と言い切っていた。
決勝に勝った瞬間のこと
Doranは、Fakerに「深呼吸しろ」と言われたのは覚えているが、実際にちゃんと深呼吸したかどうかはあまり覚えていないらしい。
たぶん一回気持ちを落ち着かせてから、プレイ自体もかなり慎重寄りにシフトしたんだろうと話している。
そこからはGAを積むまでは安全運転。
コミュニケーションも「GAできるまで待ってから戦おう」という感じで、5分くらいは実質何もしていなかったと笑っていた。
GAが完成してテレポートで飛び込んだときには、すでにチームがファイトを勝ち切っていて、ほぼ終戦していたとのこと。
最後のコールはめちゃくちゃ盛り上がっていて、全員ハイテンションだったと振り返る。
また、Riotがエンディングセレモニーの見せ方を変えたことにも触れていた。
前までは選手それぞれの個別のリアクションがメインだったが、今は「試合後に選手全員が集まって一緒にセレブレーションする」形にしたいらしく、今回のセレモニーの並びもその意図があったと説明している。
優勝した瞬間に号泣したりはせず、Doran自身は涙が出るタイプではないと言う。
むしろ感情的には、オープニングセレモニーのほうが圧倒されていた。
ゲーム開始前の雰囲気はすごかったが、それが悪いというわけではなく、「この舞台でプレイできていること自体がありがたい」と思えて、ただただ感謝の気持ちが大きかったと話していた。
試合後にFakerが背中をポンと叩いて何か言ってくれたが、肝心のセリフはあまり覚えていなくて、「Doran、さっきのカミールのプレイはなんだったんだ」とかそんな感じのことを言われた記憶だけがぼんやり残っているらしい。
Doranは「よく分からないまま、気まずく笑ってごまかした」と話している。
あと、ステージ上で危うくつまずきかけた瞬間もあって、そのときFakerに「足元気をつけろ」と言われたエピソードも明かしていた。
トロフィーの重さについては、持つ前はもっと重いものだと思っていたらしいが、実際に持ってみたら「片手でも普通に持ち上げられるくらいだった」とのこと。
今年一年の成長について
Doranは、この一年は本当に学びの多い一年だったと振り返る。
Worldsを通して、自分の悪いクセにたくさん気づいたと言う。その悪いクセはゲーム内のプレイだけでなく、メンタル面の考え方にもあった。
「こういう考え方にはハマっちゃいけない」とか、「もっと頭を柔らかく、余裕を持って構えておかないといけない」といったことを強く意識するようになったらしい。
ゲームの外でも、ネガティブな思考ループに入らないようにしたり、気持ちの落ち込みをどうコントロールするかを学んだと話している。
今シーズンとWorldsのあいだ、Doranは「プレッシャーや批判、調子が悪い時期とうまく付き合う方法」を学んでいた感覚があった。
そこを乗り越える手応えがあったからこそ、今年の自分の成長には感謝していると言う。
だから次にスランプが来たり、試合がうまくいかないことがあっても、前よりは落ち着いて対処できるだろうし、もっとリラックスしたメンタルで向き合えると思っている。
MSI後のメンタルの変化
Doranが今年一番好きな瞬間は、「Road to MSI」の試合のときだったらしい。
そのときの自分は「いい意味で、昔の自分ともう一回会えた感じ」があったと言う。
大会の約2週間くらい前までは、自分の基準から見てもあまり良い状態ではなかった。
ただ、コーチやスタッフと一緒に準備を進めるなかで、だんだんと頭の中が整理されていった。
スクリムをこなすにつれて集中力も戻ってきて、試合に臨む気持ちも前向きになっていったと振り返る。
MSIが終わったあとの期間も、ゲームを以前より楽しめるようになったし、プレイヤーとしても大きく成長できたと感じている。
ちょうど一段上のステップに上がれたような感覚だったという。
それより前のDoranは、背負っているストレスが多すぎて、うまく集中しきれていなかった。
当時は自覚していなかったが、今振り返ると相当なプレッシャーの中にいたと分かる、と話している。
「うまくやりたい」「結果を出したい」という気持ちが先走りすぎて、ここぞという場面で空回りしたことも多かった。
ただ、今年を通して「ゲームを楽しみながらプレイする感覚」を取り戻せたことで、最後まで走り切ることができたとまとめていた。
Doranの言葉をそのまま要約すると、だいたいこんなニュアンスになる。
「自分に『今日は絶対完璧にやるぞ』って約束して、完璧さを求めすぎると、だいたいうまくいかない。普段以上のことをやろうとした瞬間に、逆に崩れ始める」
「本番の試合でも『いつも以上にすごいプレイをしないと』って思って入ると、かえって悪い方向に行きやすい。みんなの受験とかも同じで、自分の実力以上の点数を無理に狙おうとすると、むしろ失敗することがある。今の自分の実力以上の結果を欲しがるのは、一種の欲なんだと思う」
「大事なのは『いつも通りやること』で、そのためには普段の自分のレベルをどれだけ高い状態でキープできるかが重要になる。だから、変に欲張らないほうがいい。日頃積み上げてきた自分のレベルを信じて、リラックスした気持ちで入るのが一番うまくいく」
その他の締めの話
最近、1年くらい前のショート動画がおすすめに出てきて、「ここまでいろいろ重なってるなら、もしかしてこれが自分のストーリーの締めなんじゃないか」と感じる瞬間もあったらしい。
決勝戦後のインタビューについては、本人いわく「ちょっと恥ずかしい」とのこと。
あの場では特に台本があったわけではなく、ある程度言いたいことを用意していたのに、いざマイクを向けられたら全部飛んでしまったと話している。
そこは少し心残りだと正直に言っていた。
アイコンについては「自分のサインってあんまりカッコよくないから、みんな使ってくれるのか分からない」と笑いつつ、それでも自分のアイコンを使ってくれる人がいたら単純にうれしいとも話していた。
優勝した気持ちをどう受け止めているか聞かれると、「もちろん勝ててうれしいけど、まだ完全には満足していない」と答えている。
自分が想像していた「決勝で勝つ」というイメージと、実際の感覚には少しズレがあって、まだ達成したいことが残っているという。
また、自分の年齢の話もしていて、そろそろ兵役のことが現実的になってきていることに触れた。
ここ5年間で本当にたくさんのことを学んだので、「残りの時間も全部出し切って、後悔のないようにやりたい」と話している。
個人的な目標もあるが、それは口に出すと気恥ずかしいので、具体的に何かは言わないでおくとも付け加えていた。
スキンの開発については、開発チームに対してあれこれ細かい注文を出したわけではなく、そこまで多くのアイデアは渡していないらしい。
アンベッサについて
最初はアンベッサが本当に下手で、「自分にはこのチャンピオンの才能がないな」と思っていた時期があったと打ち明けている。
ある時コーチから「お前がアンベッサ下手すぎるから、このチャンピオンやめたほうがいいって思ってた」と言われたこともあったらしい。
もちろんそれは、Doranがアンベッサを使いこなせるようになってから、冗談交じりに打ち明けられた話だと言う。
最初のころはアンベッサというチャンピオンへの理解度が低かったが、今ではおそらく自分の中で一番得意なチャンピオンになっている。
その自信があるからこそ、決勝戦のゲーム1でもアンベッサをピックしたと話していた。
終わりに+FAについて
Doranから見て、今のチームメイトは全員「いつかそれぞれのポジションでトップに座れる選手」だと評価している。
LoLが本当にうまいメンツばかりで、自分自身もその中に含めている。
しかも自分は選手の評価についてかなり厳しめに見るタイプだと前置きした上で、そう言っている。
みんなLoLの学び方が本当にうまくて、そのおかげで自分もたくさんのことを吸収できたと語る。
キャリア全体を振り返っても、Doranはこれまでいろいろなチームで、本当に多くのメンバーと一緒にプレイしてきた。
どのロスターからも、それぞれ何かしら学びを得てきたという感覚があり、その積み重ねが今の自分に繋がっていると話している。
Doranの考え方をまとめると、
「無駄な時間なんて一つもなかった。どの期間も、どのロスターも、どの経験も、全部今の自分を作るためのピースだった」
というもの。
配信の最後のほうでは、「たぶん明日には一回家に帰って、数日休んでからまたチームのスケジュールに戻ると思う」と話す。
例年なら大会で早めに負けてしまって1か月くらいオフがあったので、今年は全然違う、と冗談っぽく笑っていた。
オフシーズン、いわゆるストーブリーグについては、今年も慎重に、意味のある期間として過ごしたいと語る。
自分の契約が1+1の形なので、どちらの側からも契約を切れることもあって、そのぶんストーブリーグの意味が大きくなると話していた。
Doranのストーブリーグは毎回「何かしら事件が起きる」タイプで、シンプルに終わったことがほとんどないらしい。
1年契約を結ぶことも多いので、そのたびに不安になったり、精神的に張りつめていたことも多かったと振り返る。
FA初日の前日は、あれこれ考えすぎて眠れないこともよくあったと言う。
それでも「自分にとって一番いい選択肢は必ず見つけるから、あまりかわいそうだと思わなくていいぞ(笑)」とファンに伝えている。
最後は、応援への感謝を改めて述べつつ、「寒いからちゃんと厚着してね」と体調を気遣う言葉を残し、配信を締めくくった。
冷静に詰められそうでござる。
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